2003年7月31日 第1刷発行 再話・絵:エロール・ル・カイン 訳:中川千尋 発行所:株式会社ほるぷ出版 定価:1300円(税別) ISBN4-593-50422-8 c8797
17世紀末のフランスの女流作家、オーノワ夫人による「白猫」という物語を、エロール・ル・カイン氏が再話という形で絵本に仕立てたのが本書だ。 原作と比較すると、その違いやル・カイン氏の意図が見えてきて、一層楽しめる。 白猫が美しい姫に変身するいきさつなど、再話の方が分かりやすい。 ル・カイン氏の絵は、『キャッツ ─ボス猫・グロウルタイーガー絶体絶命─』や『魔術師キャッツ』でお馴染みだが、その繊細な筆致には、いつもながらため息が漏れる。ただ、主人公の白猫の風貌には少々違和感を覚えた。もしかしたら、『CATS ネコ・猫・ねこ IN BOOKS』の中で紹介されていたJ.W.の絵のイメージが強烈だったせいかもしれない。
『白猫』の物語は、300年以上の時を経て読み継がれているだけあり、その楽しみ方もひと味違ったものになる。ちなみに、主人公の白猫は、ペロー原作のバレエ、『眠れる森の美女』にも登場する。
※原作は、ネコ猫ねこ─世界中のネコの昔ばなし─ に収められている。