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─世界中のネコの昔ばなし─ 1989年5月24日 初版第1刷発行 |
ペローの『長靴をはいた猫』、スティールの『ディック・ウィティントンと猫』、オーノア夫人の『白猫物語』、小泉八雲の『猫の絵を描いた男の子』など、名高い猫の物語をはじめ、33ヶ国、50編の猫の民話、昔話をまとめたのが本書。ネコはなぜ十二支に入れなかったか、ネコはなぜ食べてから顔を洗うか、など、猫の不思議を解く物語も収められている。 猫ほどたくさんの本に書かれている動物は他にないと言われているようだが、その物語を一冊にまとめた書籍は数える程しかないという。本書は、多数ある民話や昔話の中から、内容の似通ったものは割愛して、楽しく、面白い話を選りすぐり編集したものだ。 この50編の物語に見る猫は、ずる賢かったり、律儀だったり、ちゃっかり者だったり、思慮深かったり、怠け者だったり、勇敢だったり…でも、どの話も、猫の話としてしっくりくるのは、猫が持つ多面性故だろう。 巻末には、出典と解説が載っているので、本書を入り口として、さらに深く猫の物語を探っていくのも楽しいのではなかろうか。 |