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ルドルフと
いくねこ
くるねこ

2002年2月25日 第1刷発行
2003年7月11日 第8刷発行
作:斉藤 洋
絵:杉浦 範茂
発行所:株式会社講談社
定価:1300円(税別)
ISBN4-06-133521-9 C8093

イッパイアッテナの敵を討ったルドルフの武勇伝を耳にした市川の兄弟猫が、兄の敵討ちの助太刀を頼みにルドルフを訪ねてやってきます。聞けば、相手は大きな犬とのこと。イッパイアッテナは自分が行くと言って、隣町に出掛けていきます。イッパイアッテナが戻るまでの間、猫質として残った隣町の猫一匹と、ブッチー、ルドルフは、連れ立って浅草の観音様に出掛けます。ルドルフはそこで、リエちゃんを見かけるのですが…。また飼い猫だったブッチーにも思い掛けない出来事が…。そして、イッパイアッテナが助太刀に出掛けた敵討ちの相手が、ルドルフの前に現れます。

『ルドルフとイッパイアッテナ』『ルドルフ ともだち ひとりだち』の続編。
容赦ない時の流れ、その中で自分を取り巻く環境は様変わりしていく。自分ではいかんともし難い『変化』にどうやって心の折り合いをつけ、自分の生き方を選択していくか…イッパイアッテナの留守中、ルドルフもブッチーも一人で悩み、考え、大きな決断をしていく。それを支えているのが友との絆だ。信頼、気遣い、尊敬、そして向上心…ともすると歯が浮くようなことが、素直に胸に沁み入ってくる。悟ったような顔をして、端から『友』を諦めている臆病な怠け者には、ここに描かれている『友』を羨やむ資格もないのだろう。

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