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キャット・フードの与え方

「うちの猫は、最初喜んで食べていても、すぐに飽きちゃって…。これなら食べてくれるかしら???」
キャット・フードの売り場では、飼い主さんのこんな愚痴がよく聞かれます。
好んでいたものを、食べなくなるのを見て、私たちは『飽きてしまった』と一言で片付けがちですが、これには、二通りの理解の仕方があるようです。

一つは、与えられているキャット・フードを食べ続けると危険だと察知して避けるようになった、もう一つは、猫の必須アミノ酸の種類は多いので、同じキャット・フードだけでは必要を満たすことができないために別のものを求める、というものです。

どちらにしても、不安がつきまといますので、ここでは、缶詰、ドライフード共に、総合栄養食を与えるという前提で考えてみましょう。総合栄養食は、それと水だけで、猫が必要とする栄養素を満たせる、ということになっているのですから…

猫は確かに食べ物に気難しいところがあります。慣れ親しんだフードとは違うものを与えると、ハンガーストライキを起こすこともありますし、逆にいろいろな種類のフードを与えていると、満足するどころか、もっと違うフードを欲しがるようになることもあります。
特に小さいころの食習慣は、いつまでも尾をひくようですから、最初から良い習慣をつけるよう、飼い主が気をくばることが大切でしょう。

*食事の場所
トイレの場所からできる限り離したところにする。
きれい好きな猫は、排泄の場所の近くで食事をすることを好みません。

*食器
きちんと洗浄でき、清潔に保てることが第一ですが、中でも
陶器かガラスの容器が良いようです。
プラスティックの容器は臭いが残りやすく、猫によっては、それを嫌がる場合があります。また、アレルギー反応を起こすケースもあります。
ステンレスなどメタル製の容器は、乾燥した冬場には静電気を帯びやすく、パチンというショックを与えることがありますので注意しましょう。

*食事時間
一日2回、できれば12時間の間をおくようにします。食べ物は30分で片付けるようにします。
野性の猫は、朝夕自分のテリトリーを回り、ハンティングして餌を取ります。一日一食、 ハンティングの腕が悪ければ二日に一回の食事ということもあるでしょう。ですから、一日中フードが置いてあるというのは、自然の理に反しますし、食べ過ぎの原因を作ることになります。
猫は、この規則正しい食事にすぐに馴染みます、食事を楽しみに待ち、時間になると催促するようになります。
また、このように食事を管理することによって、猫の体調の変化をすぐに見抜くことができます。
いつも食事時間が近付くと矢の催促していた猫が全く無反応だったり、いつもペロリと平らげる猫が大半を残した場合など、体のどこかが悪いのではと、疑ってみる必要がります。丸々24時間、あるいは続けて2回の食事に異常が見られるようならば、獣医師に相談した方がいいでしょう。

*食事の量
15分間で食べられる量を目安にします。
フードには、体重別に給与量の目安が表記されていますが、猫も人間同様、個体ごとに代謝機能に違いがあります。15分で食べ切る量をガイドラインにしてみてください。
また、ときどき猫のろっ骨をそっと触ってみて、やせ過ぎ或いは太り過ぎではないかをチェックし、食事の量を加減することも大切です。胸を触ったときに、ろっ骨の間に深い窪みがあるようならやせ過ぎですし、そっと触っただけではろっ骨がわからないようでは太り過ぎです。

*食事の内容
まず、
各成長段階に合わせた総合栄養食を選びます。生後9〜12ヶ月までは幼猫用フードを与えます。9〜12ヶ月を過ぎたら、少しずつ成猫用フードを混ぜ、成猫用の分量だけ幼猫用のフードを減らしていきます。この切り替えは生後12〜16ヶ月を目処にゆっくり時間をかけて行います。こうすることにより、消化機能は新しいフードに馴染み、下痢などを防ぐことができます。
総合栄養食には、妊娠/授乳期用、高齢期用もありますので、その時期に相応しいフードを選んでください。
ドライフードか缶詰か、という問題は、『ドライフードvsウェットフード』のコーナーにも書きましたが、獣医師の間にも統一見解はないようです。
幼児期の食事の嗜好は、なかな変わらないようですから、最初から一つの皿にウェットとドライの両方を入れて、どちらにも馴染ませることが得策かもしれません。
新鮮な水の入ったボールは、常に置いておく必要があります。
水を飲む量の少ない猫には、ウェットフードの量を増やすなど、観察しながら加減することも大切でしょう。

*一種類のフードvs複数種のフード
一つの決まった総合栄養食を与え続ける方が良いのか、あるいは、数種の総合栄養食を与えた方が良いのか、獣医師の間でも見解はまちまちです。
数種のフードを推奨する意見の背景には、総合栄養食といっても、数字上のデータや短期の給与試験上のことであり、完璧とはいえない、という認識があるようです。完璧ではないから、複数種の総合栄養食で不足を補完しあった方が良いという考えです。
一方、一種類を続けることを推奨する側は、総合栄養食であることに信頼を寄せていることになります。
一種類のフードを続けていれば、その食べ方で体調の変化はより正確に掴めるというメリットもあるでしょう。
判断に困る問題ですが、2、3種の総合栄養食を混ぜて与えるのも方法の一つではないでしょうか。

上記をガイドラインとして、時折手作りの食事を織りまぜたり、お利口に御留守番できたときに御褒美をあげるなどして、愛猫の食生活に彩りを添えたいものです。



【参考サイト】
http://www.catdoctors.com/html/care_diet.html

http://www.metrokc.gov/lars/animal/Educate/cassidy/Cat/cat8.htm
http://www.animalvetcenter.com/cat.htm

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