1998年11月　1刷
2005年8月　4刷
作：どい　かや
発行所：偕成社
ISBN4-03-204950-5
C8793

キャラコのお母さんも、お姉さんも、茶と白とクロのみけねこ。でも、キャラコの背中には白とクロしかありません。でも、ちゃんとみけねこなんですよ。左の腕の下に、小さくてまん丸な茶色が隠れているんです。でも、キャラコは、お姉さんやお母さんのように、もっと大きな茶色があればなあ、と思います。茶色の色紙を貼ってみたり、絵の具で塗ってみたりするのですが……

ハーニャの庭で　の作者、どいかやさんの作品。ぐっとくるようなメッセージを、穏やかに、優しく描き出すどいさんに惹かれて、本書を買い求めた。本書の方が先に書かれたものだが、彼女の本領は、すでに発揮されていた。
自分の欠点を必死で隠そうとしたり、取り繕ったりするのは、人の常。でも、その欠点は、自分の思い込みかもしれないのだ。ちょっと見方をかえれば、まったく違って見えてくる。自分のすべてを、まず受入れて、慈しむ……そうすると、欠点と思っていたところまで、キラキラと輝き出す……。キャラコは、それを教えてくれます。