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ハコちゃんのはこ 2007年10月15日 第1刷発行 |
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『黒ねこサンゴロウ』シリーズや『ねえだっこして』の作家、竹下文子さんと、『とらきちのぼうけん』や『ニューヨーク猫画帳』でお馴染みの前田マリさんのコラポレーションで生まれた絵本。 猫にとって袋や箱は何とも魅力あるものらしい。袋や箱の大きさなど、おかまいなし。体の方を合わせてしまう。もっとも我が家の9キロ猫は、お肉が箱から外にこぼれてしまうのだが……。好奇心旺盛な猫とは云え、袋や箱に示す執着は、マタタビにも劣らない。近頃は、これに土鍋が加わったようで、さまざまな大きさの土鍋に丸くなってすっぽり収まった『猫鍋』の投稿写真が世を賑わせている。 ハコちゃんは、だれにも負けないくらい箱が大好きな猫。箱を見つけたときの嬉々とした目の輝き、すぽんとハマったときの満足気な表情……そう、そうなのよねえ、とハコちゃんを眺めるこちらまでゴロゴロと喉をならしたくなる。短く、優しく、リズミカルな文に、箱とハコちゃんの小さな空間を大らかに、温かく描きだした絵……猫の本質が見事に再現されている。そして、何故か、私たちもハコちゃんと一緒だという気持ちになる。 |