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ニューヨーク猫画帖 1996年7月10日 第1刷発行 |
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なぜこの本にもっと早く出会わなかったのだろう。不思議でならない。アマゾンのマーケット・プレイスで本書の表紙を見たとき、とても懐かしい気がした。そう、だいぶ前に、絵はがきを何枚か買い求めていたのだ。 猫とジャズと散歩をこよなく愛する前田マリさんにとって、ニューヨークは最高の街だろう。「にゃんこはいないかなぁ〜」とぶらぶら散歩する。すると、様々な店先でドア・キャットを務めるにゃんこに出会う。目尻を下げた店主とウィンドー越しににゃんこを眺める猫好きおばさん。前田マリさんが描くその光景は、喜びではち切れそうだ。ニューヨークの裏通りは、とても人間味(猫味)に溢れている。 私もニューヨークが好きで、10回以上訪れているが、いずれも出張だった。前田さんのように散歩ができなかったことが、今更ながら悔やまれるが、一枚一枚の絵と、前田さんのリズミカルな語りに「うんうん、そうなのよねぇ」と頷くうちに、私も靴屋のチャールズや、酒屋のサリーと顔なじみになったような気分だ。 本書は、雑誌『ねこ倶楽部』に一年間連載されていた『ニャンダフル・ニューヨーク』に基づき、加筆したもの。 |