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アンガスとねこ 1974年10月1日 発行 |
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スコッチテリアのアンガスは、お家の中のお約束事や、カエルが飛べること、風船が割れてしまうことなど、いろいろ覚えながら、少しずつ大人になっていきます。でも、散歩に出たときに見かける猫のことは、知りたいと思っても、なかなか知ることができませんでした。そんなある日、アンガスが乗ってはいけないソファの上で子猫が眠っているではありませんか。近付くとアンガスの背の届かないところに、ヒョイと飛び乗ってしまう子猫。子猫は、アンガスのご飯を食べてみたり、大好きな日溜まりにやって来たり、好きなことをし放題。アンガスは、その都度子猫を追い掛けるのですが、毎回届かない所に逃げられてしまいます。ある日、アンガスはいつものように子猫を追い掛けていきましたが、子猫はどこへ行ったのか、姿が見えなくなってしまいました… 知らない者同士が、その心の距離を縮めていく過程の、微妙な心模様の移り変わりが、スコッチテリアの小さな目の表情に見事に映し出されています。また、犬と猫の違い──身体的なものから、生き方まで──もとても自然に描き出されていることに驚かされるます。猫好きの皆さんも、「アンガスみたいな犬がいたらなあ」と思ってしまうかも… 作者のマージョリー・フラックは、『100まんびきのねこ』の作者、ワンダ・ガアグと並んで、アメリカの絵本の基礎を築いたと云われています。 |