私たちがこよなく愛する猫は、百獣の王、ライオンを擁するネコ科にその名を冠している。広義の『ネコ』は動物学的に言えば『哺乳綱食肉目ネコ科』に属す3属(チーター属、ヒョウ属、ネコ属)35〜41種を指す(今泉吉典氏は、この3属にイリオモテヤマネコ属とウンピョウ属を加え5属40種をネコ類に分類している)が、我らが猫は言うまでもなく狭義の『ネコ』、『イエネコ』のことだ。『イエネコ』はネコ属のリビアヤマネコが家畜化されたものと考えられている。 |
動物 哺乳類・爬虫類・両生類』 |
リビアヤマネコ 頭胴長45〜73B、尾長23〜35B、体高約35B、体重2.5〜6L。 |
我らが猫は、 ネコに特有の形態と習性は、『生存』に極めて適しているようで、他の現生の哺乳類が生存のためにはなはだしい進化的変化を遂げたのに対し、ネコ科の祖先は今のネコ類と驚くほど似ているという。 ネコ類は今から4000〜5000万年前に他の食肉類と同じ先祖、ミアキスから進化し、その過程で4つの群(ホプロポネウス亜科、マカイロダス亜科、ニムラブス亜科、ネコ亜科)に分かれた。現生のネコ類の属するネコ亜科はニムラブス亜科から分かれたもので、その紀元は1500万年前頃に遡ることができる。その後ほとんど変化することなく現在に至っているという。 【参考文献】 『日本大百科全書』 『世界大百科事典』 『世界歴史大事典』 『ブリタニカ国際大百科事典』 『生物大図鑑 第6巻 動物 哺乳類・爬虫類・両生類』 |