NHK ETV特集『ひとりと一匹たち 多摩川・河川敷の物語』

2009年2月17日

前回、このコーナーでご紹介したドキュメンタリー映画『犬と猫と人間と』に続き、今度は、NHK教育テレビETV特集で、多摩川の河川敷に生きる動物たちが取り上げられる。

3月1日(日)午後10時よりNHK教育テレビで放映される『ひとりと一匹たち 多摩川・河川敷の物語』の主人公は、多摩川に暮らす二人のホームレス。彼らの生きようがメインテーマとなっているのだが、二人とも多摩川に遺棄された猫や犬と共に暮らしている。
ホームレスになる前に生きた社会からはじき出された彼らと、不要になったからと、いとも簡単に捨てられた猫たちは、生きることの根源で深く結びついているのかもしれない。
空き缶を拾い、売って生活をつなぐホームレスにとって、昨今の空き缶相場の下落は死活問題だが、それでも、彼らは猫や犬とわずかな食べ物を分け合う。

そんな彼らを小西修氏は16年にわたってカメラに収め続けてきた。今回、NHKが小西氏に同行して多摩川河川敷を取材。4ヶ月の間に収録したテープは50時間に及ぶ。そのテープは90分の番組へと編集されるのだが、多摩川・河川敷の『ひとりと一匹たち』は、私たちの社会のあり方に深い問いかけと、大きなヒントを与えてくれることだろう。

小西ご夫妻が一日も欠かすことなく、多摩川の動物たちに食事を与え、避妊・去勢をし、必要な治療を施してきた16年間が、こうした番組を生むきっかけを作ってくれた。
テレビという広く一般に訴求する力を持つメディアにのることは、16年間の地道な活動の大きな成果の一つであると同時に、小西ご夫妻が重い猫缶を持たずに多摩川をのんびり散歩できる日へのスタートでもある。

今世界中が喘いでいる100年に一度の経済危機は、私たちひとりひとりに生きることの意味や価値、真に大切にしなければならないものは何なのかに気づかせてくれる、天が与えた100年に一度の機会だと思う。そんな時に、この番組が放映されるのも、また、天の配剤なのだろう。

90分の番組が、一つでも多くの命を救っていくことを心から祈りつつ……


放映日:平成21年3月1日(日)午後10時〜11時30分
NHK教育テレビ

番組の紹介は……
http://www.nhk.or.jp/etv21c/lineup/index.html


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