古き良き江戸下町の情緒を残し、多くの文豪がこよなく愛した町としてテレビや雑誌の特集に頻繁に登場する『谷根千』。その一角、谷中に皆様ご存知の「ふくふく猫」と「猫町」がある。いずれも木金土日+祭日のみの営業で、水曜日だけがお休みのNecoにとっては出かけるチャンスが見つからずにいた。5月の連休、やっとその機会が訪れた。下町は向島に育ったNecoにとって、谷中は馴染みのない町ではなかったが、御無沙汰の30年の間に町並みは随分と変わり、まさに観光地の様相を呈していた。江戸川乱歩の小説にも顔を出す、『D坂』=団子坂を下ったところ、「団子坂下」の交差点を三崎坂に向かって曲がると、お目当ての「ふくふく猫」はすぐ。もりわじん氏作の猫たちがウィンドウの中から出迎えてくれた。 「ふくふく猫」はもりわじん氏の作品が常設されている希少なお店だが、お店の前の駐車スペース右手の塀には、もりわじん氏の手による猫の絵が描かれている。下書きなしに、わずか40分で仕上げたという。 店内にはもりわじん氏の作品の他、佐山泰弘氏の作品も置かれている。両氏の猫との向き合い方が似ているのか、佐山氏の作品からもり氏の作品へと一つの流れの中で見ていくことができる。 佐山氏の猫時計ともり氏の猫3体が目に止まったが、今回はもり氏の作品にしぼることにした。 3体の猫の中でも「春」と題する作品が姿、色合いともに群を抜いているように思う。清水の舞台から飛び下りるつもりで、いざ買わん、とその時、0が一つ違っていることが判明。清水の舞台から飛び下りても無理と、諦めがついた。そして大の字寝姿の一体をゲット。(猫芸術のコーナーを御参照ください。)次回は佐山氏の時計を買う予定です。 「ふくふく猫」からわずか2分ほど、「猫町」の看板が目に飛び込む。この階段を上がったところが「猫町」。 今回はあべ夏子個展『CRAZY CATS』とフリーマーケット『猫町珍品横丁』が開かれていた。 猫の体の曲線に女性の豊満な肢体を重ね合わさるあべ氏の作品は以前から目に止まっていたが、今回の作品は素材・フォルム・カラーともに空想に遊ぶものが多く、目に楽しい。お馴染みの野菜猫、果物猫、寿司猫等もあり、ぱぱちゃんお気に入りの寿司猫をゲット。 上階のフリーマーケットでは、バリのカラフル猫を中心にフリマならではの価格で販売されていた。ここでは猫の古本を5冊ほど入手。 谷中の町はバックパックをしょってガイドマップ片手に歩く老若男女であふれていた。2軒の猫屋さんをメインに一日ゆっくり谷中を散策してはいかがでしょう。 |