東京都荒川区で、ハト、カラスに加え、野良猫への勝手な餌やりにも罰金を課す、という条例案が議会に提出されようとしています。
杉並区では、皆様のご協力により、何とか廃案になりましたが、今度は荒川区で同様の動きが起こっています。
餌やりは、去勢・避妊、糞尿の管理等とセットにすべきであるとは云え、このような条例がひとたび制定されれば、『餌やり=犯罪』という短絡的な図式が一人歩きし、大きな弊害が生じることは明らかです。
詳しくは、
http://sulume08.blog47.fc2.com/blog-entry-8.html
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008091900869
をご参照ください。
他の行政区の追随を防ぐためにも、こうした動きは阻止すべきではないでしょうか。
私は、下記の内容で荒川区長宛に質問状を送付いたしました。
現在は署名活動は行われていませんので、条例制定に反対のご意見をお持ちの方は、ぜひ区、区長宛に抗議文を送信してください。
皆様のご協力を心よりお願いいたします。
送信先:https://www.city.arakawa.tokyo.jp/mail/fmail1.htm
【9月20日送信 荒川区長への質問状】
荒川区長殿
ハト、カラスに加え、人の助けなしには命を繋ぐことのできない猫まで、餌やり罰則の対象にするという条例案が提出されるという報道に接し、いくつか確認と質問をさせていただきます。
私は区民でもありませんし、荒川区に勤務する者でもありませんが、日本国民として、またその首都である東京都民として、こうした動きがあるべき目標に向かう正しい選択であるかどうか、見極めさせていただきたいと思います。
確認1. 家のない猫に関する問題を解決するための最終ゴールは、家のない猫を限りなくゼロにすることである。
確認2. すべての猫は命を全うする権利を有しており、直接、間接的にそれを奪うことはできない。
確認3. 上記を踏まえた上で、住民及び行政がすべきこととして
1)家ない猫の避妊・去勢の実施
2)飼い猫の避妊・去勢の啓蒙
3)室内飼の奨励
4)家のない猫への給餌、排泄物処理等の保護・管理
5)里親の募集活動
6)地域住民への啓蒙(人と同じく地域に息づく猫との共生のあり方)
等である。
荒川区では、『荒川区猫の屋外での活動の適正管理等に係る地域活動の支援制度』が設けられており、上記確認事項と同じ前提に立っておられると思いますが、もし異なる点がありましたら具体的にお知らせ下さい。
続いて質問をさせていただきます。
質問1. 素案では、「自分で所有していない動物に餌を与え、鳴き声や糞尿等で周辺住民が被害を受けているケース」を禁止事項としていますが、周辺住民の苦情が判定基準となるのでしょうか。また、飼い猫が外に出た場合にも同等の事態が想定されますが、これを除外する理由を教えてください。
質問2. 避妊・去勢に対する区の助成は、5名以上の団体を対象としています。『餌やり』はしていても、費用の面で避妊・去勢ができずにいる個人が区に申し入れた場合、区としては現在どのような対応をしているのでしょうか。
質問3. 立ち入り調査、中止命令に至るまで、区はどのようなステップを踏むのでしょうか。苦情主、苦情の対象者、双方からの公平な聞き取り調査、指導、調停等は行われるのでしょうか。
質問4. 中止命令が出された場合、その人に代わって猫たちを保護、管理する体制は整っているのでしょうか。
質問5. 罰則規定は、仮に目に余る程の無責任な行為に対してのみ課されるとしても、ひとたび条例として成立すれば、前提条件などは抜け落ち、『餌やりは悪いこと』として一人歩きしていく可能性が非常に高くなります。自分の立場しか考えられないクレーマーが振りかざすことのないよう、また教育的な弊害をもたらさないためにも、前提条件の徹底的な普及と、給餌活動をしている人への啓蒙・支援が不可欠ですが、素案提出に先だって、どんな手だてを考えておられますか。具体的に教えてください。
条例素案で取り上げている問題については、私なりに意見も持っておりますが、まずは、上記確認事項の確認と、質問事項に対する回答をお待ちし、より深く荒川区の取り組みを知ってから、私見を述べさせていただきたいと思っております。
ご返信、お待ちしております。
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