杉並区長へのメール
『杉並区動物との共生プラン・中間のまとめ(案)』について
昨年、たびたびこの場で、取り上げさせていただきましたが、杉並区では、動物との共生プランと銘打って、猫の登録制の導入、周辺環境を損なうなどの問題のある餌やり方法への規制が、反対派わずか一人というアンバランスな検討委員会の中で、具体化されようとしています。
このほどまとめられた中間報告(案)に関し、区長宛に再びメールを送りました。 杉並区では、残念ながら地域猫活動が立ち後れ、行政の避妊・去勢に対する助成も、年に何度か期間を定め、申込の上、特定の団体に給付されるという、現場の状況に相応しくない内容となっています。 このような状況の中、公費を投じて、なぜ登録制にする必要があるのか、優先順位が違うのではないか、登録のある猫とない猫との差別も危惧され、昨年より反対の署名活動を続けてまいりました。 検討委員会では、多勢に無勢、反対一人ではどうにもならず、はじめに結論ありきと思わざるを得ない不毛な議論の末、報告が議会に提出されようとしています。 これまでは、区長宛の署名活動でしたが、今後は、区議会議長を宛先として署名を集めてまいります。 一度、このような法案が通れば、ドミノ式に波及していく危険もお考えいただき、ぜひ署名をお送りいただきたく、こころよりお願い申し上げます。以下のリンクをクリックしていただくと、署名用紙が出てまいります。10名分の欄がございますが、ご家族の分だけでも結構ですので、皆様のご理解とご協力を重ねてお願い申し上げます。 署名用紙 杉並発 猫の登録制義務化を考える!ホームページ |
拝啓 杉並区長殿 『杉並区動物との共生プラン・中間のまとめ(案)』を拝読いたしました。 冒頭の、第1章 計画の基本的考え方 計画の目的の中に、この検討委員会のスタンスのアンバランスが、如実に表れているように思われます。種を越えた命の尊重を第一義に、共生のあるべき姿を実現していくことが本来であるはずなのに、残念ながら、視線は『命』ではなく、『苦情主』に向いているようです。 近隣のトラブルは、果たして動物を飼う側にだけあるのでしょうか。常にコミュニティを視野に入れた適切な飼育を啓蒙・徹底するのは当然ですが、動物を飼わない側に対しても、『命』の尊重と理解、寛容を啓蒙していかなければ、完全な片手落ちとなります。 公平であるべき行政が、『苦情主』ばかりを見ていては、動物を愛する者と疎ましく思う者との溝は深まるばかりか、動物を飼う側の協力も得にくくなること必至です。 『環境悪化』ばかりが叫ばれ、猫がどれほどのネズミを取っているかは語られない……本当に残念です。 さて、本日は、いくつか質問をさせていただきます。 1. 猫の登録制に関して 1) 登録は、マイクロチップの埋込を考えておられるのでしょうか。その場合、杉並区内のどの獣医師の元でも登録は可能となるのでしょうか。 2) 登録制には、災害時の飼い主への返還を容易にする、ということの他に、飼い主の責任を明確にする、ということにも狙いがあると思われますが、責任ある飼い方が危ぶまれる飼い主が、登録をすると考えておられるのでしょうか。 3) 登録のない猫についての言及がありませんが、どのように考えておられるのでしょうか。 4) 災害時の飼い主への返還という意義は確かにあると思いますが、それは受益者負担として、飼い主の自己負担において自発的に行えば済むことと考えますが、いかがでしょうか。 2. 飼い主のいない猫の避妊・去勢の助成について 現在の助成制度を見直す計画はないのでしょうか。 これまでも何度か意見を述べさせていただいておりますが、現在の制度は極めて利用しづらい制度となっています。 いつ捕獲できるかもしれない猫を相手に、事前に申込を入れるのは極めて現実離れしています。また、特定の団体だけが給付対象となっていては、個人で活動している人に援助は差し伸べられません。給付対象を限定するのは、飼い猫と家のない猫との判別が難しいから、という理由であるなら、まず、ブリーダーやペットショップに販売の度に届出を義務付けてはどうでしょうか。もちろん飼い猫の大半は、ブリーダーやペットショップ経由ではないと思いますが、そのかなりの割合が保護猫であることを考えれば、厳密に家のない猫に限定できなくとも良いのではないでしょうか。全額給付ではなく、広く浅く給付すれば良いと思います。 さらに、動物病院を限定するのも透明性を欠きます。動物病院ごとに手術費用がバラバラであることを危惧してのことであるなら、全額給付ではなく、定額給付にすれば済むことです。 現行の給付形態を続ける意味を教えてください。 3. 問題のある餌やりに対する規制 一言でご回答お願いいたします。 以前にも述べましたが、食べ残しを放置するのが問題であるなら、ゴミのポイ捨てと同じ理由で裁くべきではないでしょうか。 さらに、なぜ食べ残しを放置せざるを得ないか、も考えていただく必要があります。それは、区報に何度となく掲載された『猫に餌をやらないでください』が原因です。その時以来、猫に餌をあげること自体が『悪』として行政のお墨付きを得た形になり、痩せ細った命を見逃せない人々は、衆人環視の中、逃げるように餌をあげるようになってしまっているのです。 まずは、堂々と、餌を与えることができるような環境づくりが第一であり、すべてはそこから始まると思うのですが。 質問項目を並べるだけにしたかったのですが、ついつい私見を書き連ねてしまいました。 自分にとって不都合なものは排除する、そんな貧しく、偏狭な考え方が、昨今の凄惨は犯罪の根源です。『苦情主』の語気に気圧されて、『命』の尊重を見失い、恥ずべき条例が制定されることのないよう、ただただ祈るばかりです。 最後になりますが、動物との共生プランは議論が具体化されるにつれ、特定の人々の思惑が露見してきていることに、区長はお気づきでしょうか。 敬具 |