金森玲奈写真展『街猫』−豊かな国の片隅で−


2006年6月15日






2006年6月22日(木)〜7月4日(火)
11:00〜19:00(水曜定休)
銀座4丁目 ミキモト本店6階 ミキモトホール
入場無料
東京都中央区銀座4-5-5
PHONE:03-3535-4611

6月22日より、銀座4丁目のミキモトホールにて、金森玲奈さんの写真展が開催されます。今回のタイトルは『街猫』。「豊かな国の片隅で」というサブタイトルを目にした瞬間、金森さんがご自身の作品を通して、何を訴えようとしているかが、痛いほど伝わってきます。

私たちが瞬時に共有できるこの思いを、猫たちを疎んじる人たちにも伝えたい……私は、ずっと願ってきました。でも、『猫好き』と世間がくくる人の輪を越えて訴えることは容易ではありません。

以前、会社の外猫の避妊の際に駆けつけてくださった方が、こう言っておられました。「相手がどう感じようと、自分の思いを声に出して言うようにしている」と。
その時、相手の人が呆れ顔をしようが、顔をしかめようが、そんな思いを抱いている人間がいることを知ってもらえるだけでいい……以来、私も折あるごとに、家のない猫たちへの思いを素直に語るようになりました。

金森さんの写真展、様々な感情を持った多くの方々にダイレクトに訴えることができるものです。どうか、みなさん、銀座でのお買い物に合わせて、『猫好き』ではないお友達も誘ってお出かけ下さい

都会の片隅で生きる、かつて人間に飼われていた猫達。身近な存在ではありますが、それらは彼らの自然な姿ではありません。人間の都合で改良された猫たちはもはや野性にはなりきれず、ましてコンクリートに囲まれたこの国で生きていく事は容易ではありません。人間の一員として迎えられ、愛され、一生を終える猫がいる一方で、同じように一度は人間に愛されながら、捨てられ、それでも人間社会に寄り添うようにして生きている猫達がいます。どちらかといえばお気楽な存在に思われがちな「野良猫」と呼ばれる彼らの心の声に耳を傾けた時、豊かなはずの日本の心の貧しさ、とでもいうべきものに気づかされました。この愛すべき隣人が住みやすい社会、それは私達人間にとっても豊かな生活の場になるのではないでしょうか。それがどういう形なのか、この展示を通して考えて頂けたらと思います。

金森玲奈



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