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ロッキーの自己紹介 本名:ロッキー |
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みなさーん、こんにちは。ぼく、ロッキー。お馴染み6人衆の兄貴で、『らーちゃん』の弟で、『ロッキーママ』の息子です。でも、らーちゃんとは会わずじまい。ぼく、とっとと天国に来ちゃったから。今、ぼくは『てっちゃん』と『なっちゃん』と一緒にいるんだよ。 さてと、何から話そうかなあ。赤ちゃんの時のことから話そうか。ぼくはお外で生まれたんだ。4人兄弟だったんだけど、いつの間にかぼくとママだけになっちゃった。ぼく、目が悪くてあちこち行けなかったからなあ。お外にいるママとぼくのために、ステーキ屋さんのおじちゃんが段ボールのお家を作ってくれたんだ。あの頃は、毎日腹ぺこだった。ママのおっぱいだけじゃ足りなかったんだもん。ステーキ屋さんのおじちゃんがミルクをくれたけど、ママがみんな飲んじゃうんだ。ある日、段ボールのお家でお留守番してたぼくに気付いた『ままちゃん』が、ご飯をもって来てくれたの。くんくんくん、美味しそうな臭い!「いただきまーす」って食べ始めようとしたその時、なぜかママが現れてぼくのご飯をぺろりぺろり。「ママ、それぼくのだよー!」「しょうがないママね」って言ってぼくを抱き上げてくれた『ままちゃん』は、ぼくの目に膜がかかっているのを見つけたんだ。このままじゃぼくが死んじゃうって、『ままちゃん』はぼくをお家に連れていってくれたの。ママには「ちゃんと育てるからね」って約束してたよ。 |
お家には『ファイト兄ちゃん』と『マロン兄ちゃん』とまだ小ちゃな『なっちゃん』がいたんだけど、その『なっちゃん』がお母さんみたいにぼくの面倒を見てくれたんだ。トイレの使い方も爪研ぎの仕方も『なっちゃん』に教えてもらったんだよ。ぼく、まだうんと小さかったし、目が悪かったから、低いソファーからも下りられなかった。そんなぼくの背中をやさしく押しながら『おばあちゃん』が「ここは大丈夫、下りられるよ」って一つ一つ教えてくれたの。 少し大きくなって、ぼくは目の手術をしたんだ。退院してお家に戻った時は、そりゃあ大パニックだった。臭いは間違いなくお家の臭いなんだけど、見たことないものばっかりなんだもん。『なっちゃん』の臭いのする猫がぼくを追い掛けてくるし、ぼく、逃げ回っちゃった。でも、『なっちゃん』の臭いのする猫が『なっちゃん』なんだって分かってきたんだ。『おばあちゃん』、『ままちゃん』、『ぱぱちゃん』の顔も初めて見えたんだよ。それからというもの、ぼくの遊びといたずらに拍車がかかって、家中からカーテンと障子紙が消えちゃった。でも『なっちゃん』も共犯だからね。 |
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そうこうするうちに、弟妹6人がNeco家にやってきて、懐かしいママも家族に加わった。ぼくら総勢11人になったんだ。ぼくは賑やかなのが大好き。弟妹どもを子分にロッキー軍団を組織して、来る日も来る日も家の中を所狭しと暴れ回った。最高に楽しかったよ。春にはぼくだけ特別にお花見に連れていってもらったりもした。でもね、ぼく、だんだんと『ファイト兄ちゃん』や『マロン兄ちゃん』やママみたいにお外に出てみたくてしょうがなくなったんだ。お庭に出るドアの前で「お願い、出して。ね、お願い、ドア開けて」ってずーっと言い続けた。お家の人が根負けしてドアを開けてくれるまで懇願し続けたんだ。初めて吸う外の空気、初めて触れる土の感触…ぼくがどれほど嬉しかったかわかる?赤ちゃんの時、外だっただろうって?うん、そうだけど、赤ちゃんの頃のことは良く覚えてないもん。外に出るといってもお家の回りを回るだけ。それで十分だった。 |
ところがあの日だけは、なぜか吸い寄せられるように車の走ってる道路に出ちゃったんだ。そして次の瞬間、ぼくは超特急で天国へ。 ここではNeco家の人にだっこしてもらえないし、6人衆を引き連れていたずらすることもできないけど、みんなのことはここからでも良く見えるよ。小さかった6人衆も、今じゃぼくより大きくなっちゃったね。ぼく仕込みのいたずら振りは見ているだけでも楽しいよ。もちろんぼくはここでもいたずら三昧さ。ぼくのすぐ後に『なっちゃん』がおもちゃをいっぱい持ってやって来たし、超堅物の『てっちゃん』にいたずらを仕込む愉しみもあるしね。
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