みなさんは猫たちとどんな出逢いをしたのでしょうか? *動物保護相談センター本署:東京都世田谷区八幡山2-9-11 ※東京地区以外は、各都道府県衛生局のホームページを参照してください。 痩せ細り、何かを訴えるような目をしたホームレス・キャットを目の前にすると、前後の見境もなく連れ帰りたくなるのはNecoだけではないと思いますが、すでに猫がいたり、室内犬など他の動物がいる場合は、抱き上げる前にご自宅の部屋の数を数えてみてください。家にいる猫も目の前のホームレス・キャットも成猫の場合は特に注意が必要です。Neco家では、これまでも常に多頭飼いをしてきましたが、古株と新人が何とか家全体を共有できていました。成猫同士でも飼い主の愛情の掛け方次第でなんとかなるものと、たかをくくっていたのですが、ラッキーの出現はそんな過去の経験を覆してしまいました。6つ子という強力な連隊の壁は厚く、家族全員の愛情をしても馴染ませることができませんでした。今では、1階と2階を分けて2世帯住宅となっています。目の前のホームレス・キャットが万一他のメンバーと共生できなかった場合、それぞれに居場所を与えてあげられるか、考えてみてください。新メンバーが加わることによって、先住者のスペースが小さくなってしまうのはやむを得ないとして、お互いに相容れない場合にお家をどう割り振るかを考えることです。一旦保護して、里親を探そうとしても、思い通りにならない可能性の方がずっと高いのです。最悪の状況の場合は地域猫として面倒をみていくことになりますが、それには飼い猫として室内で飼う以上の責任が伴います。そこまでを考えてから、猫同士の相性とみなさんの愛情に賭けてみることです。 <新人を加えたNeco家の一例> ラッキーが加わることによってすでに2世帯住宅になったNeco家には、もはや新しいメンバーが加わる余地がなくなり、真剣に地域猫と向かい合っていかなければならないと思っていた矢先に、『隣の宮沢さん』(詳しくはNeco家の猫日記参照)と巡り逢いました。片目を失い、顎もグラグラの瀕死の猫でした。家の外にもすでに5匹の外猫が出入りしており、覇権を競っています。目の不自由なこの子を家の外猫として飼うことも難しいと判断し、できる限りの手を尽して体力が回復したら、事務所の外猫として飼うことに半ば意を決していました。体力が回復するまでは入院だと思っていたのです。ところが目の傷も顎の怪我も鼻の骨折も古傷だとのことで、入院することなく自宅に連れ帰ることになりました。この子の居場所は2階のラッキーのテリトリーしかなく、祈る思いで部屋に入れました。餓えの続いていた『隣の宮沢さん』は、ご飯を運ぶ手からお皿をもぎ取る勢いですが、それでも先住者たるラッキーに先にご飯をあげるというルールを守り、できる限りラッキーに気を配りました。治まっていたマーキングが再発しましたが、だまって拭いてはラッキーを抱きしめるようにしました。当初はだれかが室内にいない時は、続き間の仕切りを閉めて、別々にしていましたが、2匹の接触の様子を観察しながら、タイミングを計って間仕切りを開け放しました。『隣の宮沢さん』がものおじしない性格だったことも手伝い、10日後にはついにラッキーが『隣の宮沢さん』をかかえて体を舐めてあげるまでになりました。2階で一日の大半を過ごしていた『エリちゃん』は、まだ『隣の宮沢さん』におびえ、見ていない時に何がおこるか不安が残るため、日中は兄弟のいる1階に行くようにしています。新人に偏りやすい注意・関心・愛情の倍を先住者に注ぐこと、これが私たち飼い主にできる最低限のことだと思います。 |