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猫には危険な食べ物

私たちが食卓を囲んでいるとき、愛猫に行儀よくそばに座っていられると、つい何かを分け与えたくなるのが人情です。また、キャット・フードばかりではと、おやつに一品を用意するご家庭も多いのではないでしょうか。でも、ちょっと待ってください。私たちが毎日当たり前のように食べている食材でも、猫にとっては有害なものもかなりあります。軽度な消化不良や嘔吐を起こすものから、深刻な病気を引き起こし、時には死に至らしめるものまであるのです。それは、動物ごとに代謝の仕組みが異なるためです。
以下は、猫に与えてはいけない食べ物として国内外の獣医師が挙げているものを、その理由とともにリストにまとめたものです。キャット・フード以外の食べ物を与える時の参考にしてください。ただし、このリストは完璧というわけではありません。猫にとって危険な食べ物すべてを網羅することは事実上、不可能だからです。

避けるべき食品

その理由
脂身 膵臓障害を引き起こす可能性あり
アルコール飲料 中毒、昏睡、死に至る可能性あり
アワビ、サザエ。トリガイ これら貝類の肝臓を食べて日に当たると、貝が摂取した海藻に含まれる葉緑素の分解生成物により重度の皮膚炎を起こす可能性あり
(イーストの含まれた)パン種 消化管の中で膨らみ、ガスを発生させる場合があり、痛みが出るほか、胃や腸の破裂につながる可能性あり
イカ、タコ、スルメ イカにはビタミンB1を破壊する酵素、カルボキシナーゼが含まれており、ビタミンB1欠乏症を引き起こす可能性あり。酵素は熱に弱いため、過熱すればこの問題はないが、イカ、タコともに消化が悪く、大量に摂取すると消化不良を起こす。特にスルメは、消化管の中で10倍に膨らむので、急性胃拡張等につながる可能性あり
種が腸閉塞、腸炎を引き起こす可能性あり
カビが生えたり、腐っている食品、生ゴミ 嘔吐や下痢を引き起こす複数の毒素が含まれており、他の器官にも障害を起こす可能性あり
キノコ 複数の器官に作用する毒素を含んでいる場合がり、ショック症状、死に至らしめる可能性あり
残飯 残飯は栄養のバランスが取れていない。与える場合は、全食餌の10%以下とし、肉の脂身、骨は取り除く必要がある
大量に摂取した場合、電解質のバランスが崩れる可能性あり
シトラス(柑橘系植物)・オイル・エキストラクト 嘔吐を引き起こす可能性あり
(食品添加物やフレグランス、シャンプー、殺虫剤等に含まれている)
ジャガイモ、ダイオウ、トマトの葉
ジャガイモ、トマトの茎
蓚酸塩を含み、消化器、神経系、泌尿器系に障害を起こす可能性あり
タマネキ、ニンニク(生、調理済み、粉状を問わず) 硫黄酸化物や二硫化物を含んでおり、赤血球を壊し、貧血を引き起こす可能性あり。猫は犬よりも過敏に反応する。ニンニクはタマネギよりも毒性は低い
チョコレート、コーヒー、茶、その他のカフェイン含有物 猫にとって有害なカフェイン、チオブロミン、チオフィリンなどが含まれており、心臓や神経系に異常をきたす可能性あり
(人間用の)ツナの缶詰 猫にとって必要レベルのビタミン、ミネラルが含まれておらず、大量に与えると栄養不良になる可能性あり
鉄を含む人間用のサプリメント 消化器の内層を傷めるほか、肝臓、腎臓などの器官にも有害となる可能性あり
糖分の多い物 肥満、虫歯、糖尿病を引き起こす可能性あり
ドッグ・フード 誤って食べてしまったという程度では問題ないが、繰り返し与えると、栄養不良や心臓に影響を及ぼす疾病につながる可能性あり
生魚 ビタミンB群の一つ、チアミン欠乏症を引き起こし、食欲減退、卒中、重症になると死に至る場合もある。生魚を定期的に与えた場合に、起こりやすい
生タマゴ アビジンという酵素を含み、ビタミンB群の一つ、ビオチンの吸収を妨げる。これにより、皮膚や皮毛を傷める可能性あり。また、生タマゴはサルモネラ菌を含む可能性あり
海苔 マグネシウムが多く含まれており、膀胱に結晶ができ、尿道の閉鎖を引き起こす可能性あり
ブドウ、レーズン 未確認の毒素が含まれており、腎臓に障害を与える可能性あり
ベビー・フード オニオン(タマネギ)・パウダーが含まれている場合があり、猫にとっては有害(タマネギの項参照)。また大量に与えると栄養不良になる可能性あり
(魚類、家禽、その他の肉源の)骨 消化器官を塞いだり、傷つける可能性あり
マカデミア・ナッツ 消化器や神経系、筋肉に影響を及ぼす可能性のある未確認の毒素が含まれている
ミルクと乳製品 成猫の中には、乳製品に含まれるラクトースを分解する酵素、ラクターゼを十分に持っていない個体もあり、これに乳製品を与えると下痢を引き起こす。猫用にラクトースが含まれていない乳製品が市販されている
(大量の)レバー 筋肉や骨に影響を及ぼすビタミンA中毒を引き起こす可能性あり

これら食品の他、観葉植物をはじめとする植物にも、猫にとって有害なものがあり、250種以上がリストに上がっています。(http://www.shvaika.ic.ck.ua/plantsandyourcat/toxicplants.html 参照)。ポピュラーなところでは、アイリス、アジサイ、アマリリス、アロエ、菊、クロッカス、ゴムの木、シャクナゲ、水仙、スィートピー、スズラン、ゼラニウム、チューリップ、ツヅジ、ユリなどです。猫が好み、無害な『猫の草』があれば、これれ危険な植物を食べることは避けられますので、『猫の草』を切らすことのないように、気をつけてください。

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【参考ウェイブサイト】
http://www.peteducation.com/article.cfm?cls=1&cat=1399&articleid=1029
http://www.shvaika.ic.ck.ua/plantsandyourcat/toxicplants.html

【参考文献】
【参考文献】
ネコの食事百科
1997年11月4日 発行
監修:宮田勝重
発行所:株式会社誠文堂新光社

痛快!ねこ学
2002年3月30日 第1版第1刷発行
著者:南部美香
発行所:株式会社集英社インターナショナル

ネコの病気百科
1998年4月2日 発行
執筆者:獣医学博士、開業獣医師14名
発行所:株式会社誠文堂新光社

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