*ヘア・ボールとブラッシング
春先から夏にかけて、猫たちの毛が抜ける季節です。一撫でしただけでも、あなたの手にびっしりと毛が張り付き、さらに多くの毛が宙を舞います。きれい好きな猫たちは、グルーミングに余念がありませんから、余分な毛は、ざらざらとした舌にすくい取られ、飲み込まれていきます。それがヘア・ボールとなるわけです。
また、この季節はノミがつく可能性も高まり、ノミ・アレルギーを起こすと過度のグルーミングにつながります。
ヘア・ボール自体は、命に関わるような問題ではありませんが、猫に慢性的な不快感を与え、健康を損なう可能性も孕んでいます。ヘア・ボールは胃の内壁を刺激し、消化機能を疎外する場合があります。ヘア・ボールを吐き出すのが最も一般的な反応ですが、この状態が続き、消化管が詰まると、食欲の減退や急激な体重の減少を引き起こします。
突然、異常な量のヘア・ボールが形成されるには、原因があります。その第一は、アレルギーや皮膚についた寄生虫により、猫が過度なグルーミングをすることです。第二は、問題行動の一つとして、グルーミングをし続けることが考えられます。こんな行動が見られた時は、要注意です。
大量のヘア・ボールを防ぐには、ブラッシングが効果的です。ブラシにつく毛が全部飲み込まれていくことを想像すれば、たとえ、過度なグルーミングをすることはなくても、ブラッシングをしてあげようと思うことでしょう。
ヘア・ボールをコントロールするフードも市販されています。この種のフードには繊維質が多く含まれており、ヘア・ボールの軽減に効果が期待できます。
下剤を処方される場合があるかもしれませんが、ヘア・ボール対策としては、下剤より有効な手段があると大半の獣医師は考えているようです。決して人間用の下剤は与えないでください。
ヘア・ボールを防ぐために頻繁に入浴させるのも感心しません。
ヘア・ボールには、まずブラッシングです。ブラッシングは、ヘア・ボールを防ぎ、皮毛を清潔に健康に保つことはもちろん、皮膚を刺激し、血液の循環も促進します。ブラッシングにより、皮脂が全体に行き渡った皮毛は、美しく輝いていることでしょう。そればかりではありません。毎日、愛猫を膝に乗せ、体全体に触れ、毛を分けて間近に観察することにより、様々な問題を早期に発見することもできるのです。そして、何より、あなたと愛猫との間により強い絆がうまれるチャンスを与えてくれるのです。
*準備
猫用のブラシは犬用とは異なり、柔らかい毛でできています。一口に猫用と言っても、長毛種には、目の荒いコームや獣毛のブラシ、短毛種には、ラバーのブラシなど、猫種によって適切なブラシが異なってきますので、獣医師や専門家に相談してみてください。毛玉を取り除くハサミ(経験者のみ使用)、トケを発見した場合の遂げ抜きなども、手を伸ばせば取れる範囲に用意しましょう。
*ブラッシングを始める前の健康チェック
まず、猫が眠くなっている時間を選びましょう。眠るのが大好きな猫のことですから、チャンスはいくらでもあるはずです。
猫を膝に乗せたら、頭から尻尾へと、体全体をやさしく撫でます。この時、痛がる箇所はないか、しこりのようなものはないか、ケガや脱毛している箇所はないか、炎症をおこしている箇所はないか等、注意しながら撫でると、問題を早期に発見できます。指の間も忘れずに見てください。トゲが刺さっている場合があります。また、この機会に、耳、目、口の中、爪、肛門、性器なども観察しましょう。異常を発見したら、すぐに獣医師に相談してください。
*ブラッシングの仕方
撫でられて猫が心地よくなったのを見計らって、ブラッシングを始めます。
猫のブラッシングの鉄則は、『やさしく、丁寧に』です。
まずは背中から。鼻から尻尾に向かって一定の圧力で長くブラシを動かします。
これを数回繰り返したら、猫を横に向けて、4、5回、反対側を4、5回ブラッシングします。常に毛の流れに沿ってブラッシングしてください。
次に腹部に移ります。口から尻尾に向かってやさしくブラッシングします。お腹をブラッシングされるのを嫌う猫もいますが、その場合は、手早く2、3回ブラッシングして、終わりにしましょう。
次は足を毛の流れに沿ってブラッシングします。後足の裏側は特に注意して、問題箇所や毛のもつれがないか探しながらラッシングしてください。最後に尻尾をブラッシングします。
*子猫のブラッシング
子猫の皮毛を清潔に保つように、親猫は一生懸命子猫のグルーミングをしますが、人間も手伝ってあげましょう。早い時期からブラッシングやコーミングを始めると、それが習慣となります。穏やかに声を掛けながら、やさしく、手短にグルーミングしてあげてください。
*ブラッシングの頻度
ブラッシングの頻度は、猫種、天候、季節などによってことなります。短毛種なら週に2回、長毛種は毎日1回が大雑把な目安ですが、天候や季節ごとに、ご自分の猫にはどれくらいの頻度がよいか、経験値ですぐにつかめるはずです。
大切なことは、スケジュールを作り、守ることです。途中で邪魔が入らないような時間帯を見つけてください。
*毛玉
毛玉は猫には痛いものです。ブラッシングしていても毛玉ができるようだったら、ブラッシングの頻度を上げてください。
毛玉ができてしまったら、まず、その毛玉を小さな固まりに分けます。次に、毛玉の下の皮膚をしっかり押さえて、毛玉を持ち上げます。皮膚まで引っ張ることがないよう、くれぐれも注意してください。最後にやさしくコーミングまたはブラッシングします。ハサミは専門家の指導を受けてから使うようにしてください。
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良いことたくさんの『ブラッシング』、さっそく日課に加えてはいかがでしょうか。ブラッシングを通して、あなたと愛猫の絆はさらに強くなることでしょう。
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【参考サイト】
http://www.tamu.edu/univrel/aggiedaily/news/stories/02/040402-2.html
http://www.geocities.com/prayers_n_purrrs/grooming.html
http://www.purrballs.com/catcare/grooming.html
http://www.petcaretips.net/cat_grooming.html
http://www.coastalpet.com/products/ctips.htm
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