2005年葉月猫模様 その2(H.17.8.13)

【モナコ】
Neco家の家族になった日:2004年6月29日
誕生日:2004年5月頃?
<家族になった経緯>
チョコの5匹の子供の5番目、末娘と思われる。5匹兄妹の中でも、この子とズレータの白二匹(赤ちゃんの時は、ほぼ全身白かった)が、際立って動きが鈍く、生きているのか、死んでしまったのか、ハラハラしどおしだった。
シマチュウを保護した日、シマチュウを入れた箱を抱えて駐車場に向かう途中、この子がビルの隙間からこちらに、よちよち、もごもごとやって来るのを発見。「もう少しこっちにお出で。そうそう、いい子いい子」と、ビルの隙間に手を伸ばして、指を動かす。その指に釣られて、一歩一歩近づき、無事抱き取ることができた。
箱の中で暴れ、大泣きするシマチュウとは対照的に、この子は心配になるほど大人しかった。母乳のお蔭で、栄養状態は悪くはなかったが、なんとなく線が細く、無事に育ってくれるのか、不安がつきまとった。
顔の表情も子猫らしい愛くるしさとはちょっと違い、どこか淋し気で、しかも器量良しとは言えない。お父さんが、願いを込めてつけた名前が『モナコ』。「モナリザ」をもじったものだ。今度は、名前負けするのでは、とまたまた不安になる。
シマチュウ、レオナ、と一緒に、里親募集のポスターにモナコの写真も載ったが、数少ない御問い合わせの電話は、例外なくレオナに関するものだった。気にしない、気にしない、モナコにはモナコの魅力があるんだから。

<2005年葉月近況>
案の定、モナコの成長は遅かった。他の3匹が目に見えて大きくなっているのに、モナコだけは取り残された感じだ。ご飯も食べているのか、いないのか。存在感の薄い子だった。基本的には、他の3匹同様、人間より猫の方が好きなのだろうが、いつも先住猫にくっついているわけでもない。もちろん人間に甘えることもないが、かと云って、警戒するわけでもない。だっこすれば、数秒は我慢してくれる。つまり、とらえどころがないのだ。
影の薄い子……そんなイメージが払拭されたのは、いつ頃だろうか。吊ったばかりのカーテンに駆け上る、カフェカーテンは、突っ張り棒ごと落っことす、貼り直した障子に頭から突っ込む……「これやったの、だれ!」「モナコじゃない」という会話が当たり前になってしまった。いくつかは濡れ衣だろうが、いたずらの90%はモナコが犯人だ。お蔭で、モナコの口ひげが伸びていたためしがない。どれも1cmの長さで折れている。せっかく、なかなかの美人に成長したのに……
食べることに関しては、相変わらずいつ食べているのかわからないほどだが、大好きなカニカマ・タイムとなると、話は違う。みんなを押しのけ、一番前に座り、順番を待てずに人の分まで失敬してしまう。
好奇心も旺盛で、お風呂場や水道の蛇口など、水が垂れるのを見るのが大好き。コーヒーメーカーのスイッチを入れると、どこからともなくやって来て、ポタポタとコーヒーの雫が落ちるのをじっと見守っている。コーヒーが入ると、さっさとその場を離れるから、モナコがいるかいないかで、コーヒーが入ったかどうかもわかる。
外への関心も、4匹兄妹の中では一番だ。毎朝、空が白み始めるころになると2階に来て、私の枕元の窓辺に座り、外を眺めている。先日エリちゃんが、ロックを忘れたベランダの窓を開けて脱走したとき、モナコもベランダに出て、悠々と手すりを歩いていた。気づくのが遅れていたら、脱走していたかもしれない。
いつも涼し気な顔をして、大胆ないたずらを繰り返すモナコ。そのアンバランスは、影の薄さを心配し続けた私たちにとって、嬉しい誤算だ。