今遊んでいたというのに、次の瞬間はご覧のとおり。ここには平和な時間がのびやかに流れています。
7月12日
キャリーの蓋を開け、他の子猫3匹と2階の部屋に閉じ込めておく。エリトンは、ベッドの下に入り込んだまま、物音一つぉう立てない。他の3匹とケンカもしないが、交わる様子もない。 ご飯も食べているのか、いないのか。
7月14日
2台くっついているベッドの間を少し開けてみる。エリトンが見えた。私たちが見ていても、身動きしない限り、逃げない。 夕方近く、エリトンがついにベッドの下から出てきた。他の3匹と、かくれんぼ、おにごっこ、レスリング。これまでの4日、どんな気持ちで過ごしてきたのだろう。ほっと胸をなでおろす。だが、私たちが身動きすると、脱兎のごとく隠れてしまう。
7月11日
4匹目の子猫を保護。5匹兄妹の中で一番はしこそうだった子がこの子だ。キャリーに入れると隅っこでこのポーズ。泣き声一つ立てず、身動き一つせず。だが、気を許してキャリーの蓋を開けた途端、もの凄い勢いで逃げ出した。何度も捕り物劇を演ずることに。
家に連れ帰って、そっと抱き取ると、おしっこで体はびしょびしょ。そのままお風呂に入れる。大人しく洗わせてくれた。一安心してキャリーに戻すと、やはり隅で蹲り、この表情。飲まず、喰わず、泣かず。
先住者のエリちゃんとトンちゃんを合わせたような子なので、自然に『エリトン』と呼ばれるようになる。
7月15日
先住者たちには、次から次へと体の不調が見られる。チビタとぬーちゃんの声が出なくなり、同じくチビタとらーちゃんはひどい下痢に悩まされた。声もお腹の具合も、無事快復したが、今度はニセドとトンちゃんが嘔吐を繰り返す。先住者の間の雲行きも怪しい。突然4匹の子猫が現れ、我が物顔に家中を駆け回り、挙げ句の果てに、2階の部屋は子猫専用にされては、ストレスが溜るのも無理はない。 やはり里親を見つけなくてはならないのかもしれない。
夕方、避妊手術を受けた雌猫が退院。ノミっ駆除剤もつけ、3種混合ワクチンも打っていただいた。先生に『稀に見る美人だけれど、きかない子』とレッテルを貼られたこの子は、4泊5日の入院の間、一度も泣かなかったという。帰りのキャリーの中では、下敷きの下に潜り込んで、強い視線で前を凝視していた。 いつもの場所で蓋を開けると、しぱらくそのまま出てこなかったが、タイミングを見計らって、すばらくビルの隙間に走り去った。
子猫は残り1匹と思っていたのに、ベランダから下を覗くと、さらに5匹増えていた。一体どこから湧いてきたのだろう。どの子も5匹兄妹の血縁であることに間違いはないのだが…。 どうしたらいいのだろう。この子たちもエリトン同様、なついてもらうには時間がかかるだろう。里親を探すにしても、一旦はどこかのお家で保護しなければならない。我が家はもう満杯だし…