キャラリンの詩(うた)

突然窓先に現れて、2年と少しの歳月を窓越しに重ね合わせた猫、キャラリン。
一度もこの手に抱くことのなかったキャラリン。
キャラリンは、青と緑のオッドアイを持つ白猫だった。
だが、口内炎という半ば不治の病を抱えたキャラリンの目は、目やにに汚れ、白いはずの皮毛は鼠色の毛束になっていた。
もし、神様が会いたい者に、一人だけ会わせてくれる、と言ってくれるなら、キャラリンに会いたい。

そんな思いからだろうか、私は、大好きなステンドグラス作家の剣持敬子さんに、キャラリンのステンドグラスの制作をお願いした。
青と緑の目の真っ白なキャラリンの傍らには、緑の目の黒猫、チビタ。
チビタは現世では片目しかなかったから、二つの緑の目を持つチビタをキャラリンに寄り添わせたかった。
剣持さんは、超多忙な創作活動の中で、私の依頼を快く引き受けてくださり、先頃、作品が完成した。

ステンドグラスになって再び私の前に現れた2匹を目にして、ふと叙情詩が書きたくなった。
そして一気に書き上げたのが、キャラリンの詩
(うた)。
キャラリンの半生をご一緒に辿っていただけたら、これ以上の喜びはありません。