『ニセド』連日の脱走 (H14.6.15)

以前から、外に出るチャンスを伺い続け、わずかなチャンスをものにしていた『ニセド』だが、さらに積極的な手段に訴えるようになった。下準備をするのは、もちろん『トンちゃん』。ひがな外に通じるすべてのドア、窓が開かないかチェックを怠らない。ドアノブを上手に動かしてドアを開けられるのも『トンちゃん』だけだ。

強行手段その1:朝、空気の入れ替えのために網戸にしていた窓から脱走。
網戸には簡易ロックの他に楔を挟んである。この朝、『ニセド』と『トンちゃん』のどちらがやったのか、あるいは共謀してやったのか不明だが、網戸に体当たりしたらしく、網戸は無惨にも、咲いたばかりの深紅のアマリリスの花をばっさり切り飛ばし、玄関脇にころがっている。迷コンビの2匹は、「それ行け」とばかりに勢い込んで外に飛び出したに違いない。

強行手段その2: バスルームの網戸の網を切り裂いて脱走。
湿気のこもるバスルームの窓はできる限り開けてある。網戸は簡易ロック付、窓の外には防犯用の格子が取り付けられている。ドアはもちろんきっちり閉めてある。この朝の脱走は明らかに共謀。『トンちゃん』しか開けられないドアを開け、バスルームに入っての兇行だ。格子が邪魔をして体当たり作戦は使えない。さすれば…と考えたのか、網そのものを切り裂き、格子の隙間から脱走した模様。階下から聞こえる異常な鳴き声に2階の窓から覗くと、迷コンビにつられて外に飛び出した『ゴンちゃん』が、再び家の中に戻ろうと、出たばかりのバスルームの窓に飛びついたまま鳴いていた。今回はお調子者の『宮沢さん』も同行。

頭を使い、体を使い、待望の外へ飛び出したものの、踏み締める草のひんやりとしたやわらかさ、降り注ぐ太陽のあたたかさ、そよぐ風の心地よさを満喫するのは『ニセド』だけ。『トンちゃん』は『クロちゃん』や『カラリン』と出くわして例の首カチカチ状態に陥り、さっそく御用となる。『宮沢さん』はお隣の勝手口でくつろいでいたところを、コップ一杯の水をかけられ、ほうほうの態で逃げ帰った。『ニセド』は朝の2、3時間外界を満喫し、おもむろにご帰還。それでも外界は疲れると見え、残る一日を眠って過ごす。

『ニセド』の脱出は止められないかも…が、ここで諦めてはいけない。『ロッキー』が残した警告を思い出さなくては。かくしてNeco家は梅雨入りしたじめじめした天気の中、わずかな晴れ間に空気の入れ替えもままならず、外に通じる窓という窓、ドアというドアを厳重にロックしたまま暮らすはめとなった。