猫が肝をつぶすと (H14.3.31) ロッキーの6匹の弟妹がおどろくと大変な騒ぎになる。これは小さい頃からずっと変わらない。まだ『らーちゃん』がやって来る前、2階にも自由に行き来できたころは、びっくりするたびに2階にダッシュで駆け上がっていった。マンガに描くと足がぐるぐる回って輪っかになる、そんな感じだ。廊下ですべると、輪っかになった足が空回りする。ホント、マンガそのものだ。6匹が一斉にダッシュするからダダダダッ、物凄い音がする。インターフォンがなるとダダダダッ、電話が鳴るとダダダダッ、お客さんが来ようものならもう大変。 仕事を終えて事務所を出ると季節外れの夕立ち。大粒の雨が道路を叩き付けていた。稲光りが夜空をピンクに染める。雷は遠いのか、雷鳴はさして聞こえず、家に入ると雷のことは忘れてしまった。遅い夕食を取っていたとき、突然、聞いたこともない、家を揺らさんばかりの物凄い雷鳴が轟いた。一回だけ。完全にふいを突かれたNeco家の面々は肝をつぶした。びっくり常習犯の6匹も、もちろんダダダダッ!瞬時に所定の位置に避難した。ああ、びっくりした。深呼吸をして体勢を立て直し、夕食を続ける。どれくらいの時間が経っただろうか、ふとテーブルを挟んだ向かいのソファーに陣取る『ぬーちゃん』に目をやった。『ぬーちゃん』の目玉が妙に飛び出しているように見える。もともとビー玉のようにまん丸な目をしている『ぬーちゃん』だが、横から眺めるとこんなふうに目玉が飛び出しているのか、などと考えるともなく考えていた。いつものように「『ぬーちゃん』、こっち向いて」と声をかけたが、この時ばかりは何の反応も示さない。何か変。うんこらしょ、9キロの巨体を持ち上げて、自分のソファーに連れてきたが、顔はお面でも貼り付いたみたいに、ぴくとも動かない。やっぱり変。やっぱり目玉が飛び出してるよ。しげしげとその顔を眺めながら、ようやく思いついた。さっきの雷だ。びっくりが極限に達しちゃったんだ! |