2004/12/28 今年も間もなく暮れようとしています。
年々短く思える一年ですが、今年も辛い別れと思い掛けない出逢いがありました。
4月に準家族だったキャラリンが去りました。
キャラリンの家は、今もそのまま。
キャラリンの毛や匂いの残るベッドも洗えずにいます。
7月、4匹の新入りがやって来ました。
親人的なロッキー一族と、親猫的な新入り兄妹の好対照に驚きつつ、猫の新たな魅力を発見しています。
会社に行けば4匹の外猫が待っていてくれます。
このお正月休みも、給食当番に毎日会社に出かけることになりますが、それすら苦に思えないのが、猫のすごさでしょう。
この外猫たちを仲立ちとして、多くの方々との知己を得ました。
猫が幸せな町は人にも幸せな町、そんな町に引っ越したい……
多くの方の口から、この言葉を聞きました。
猫を大事に思うが故に味わったやり場のない辛さのこもった、哀しい言葉です。
今私たちが暮す町が、猫も人も幸せな町であるように、焦らず諦めず働きかけていきたいと思います。
人を怖れ、逃げ、あるいは攻撃を仕掛けてくる猫にも、私たちは必死で心を寄せていきます。
心を通わせることができると信じているからです。
その思いを人にも向けていこうと思います。

総じて、私のこの一年は人に支えられた年でした。
本当にありがとうございました。
皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。
2004/12/24

タマサの耳の異常については、たくさんの方にご心配をいただきました。
ありがとうございました。
まだ多少のタダレが残り、耳が気持ち縮んだように見えますが、お蔭様で赤みも熱も引きました。
これが、何か薬品のようなもののせいではないことを祈るばかりです。

今日はクリスマス・イヴ。
会社の外猫にも明日、チキンをご馳走しようと思っていたのですが、クリスマス・ケーキを買いに行く道すがら、焼き鳥屋さんから漂う香りに誘われて、思わず、
「少しあぶるだけで、タレもつけないで」
と、注文していました。
人肌程度にあたたまった焼き鳥をもって、ビルの裏手に回ると、子猫3匹が走ってきました。
それぞれに一カケずつ渡すと、それを自分の足元に置いたまま、次ぎをねだります。
3匹が3匹ともそんな有り様で、なんとお行儀の悪いこと、と一瞬思ったのですが、
どうやら一カケが大きすぎたようです。
小さく小さくちぎって口に入れてあげると、目をきらきらさせながら、あっと言う間に平らげました。
最後は、私のベタベタになった手をきれに舐めて、『ごちそうさま』

皆様も、どうぞ楽しいクリスマスを!!

Merry Christmas, Cat Lovers!!

2004/12/21

コエリの春が終わり、やれやれとほっとしたのも束の間、会社の外猫、タマサの右耳が反り返ってきたことを発見。
見たところ傷もないし、湿疹ができているでもない。
触ってみれば、火のように熱く、真っ赤だ。
慌てて『猫の病気百科』を繰ってみるが、該当すると思われるものは見当たらない。
だが、耳の病気はいずれも治りにくいようだし、早めの手当てに越したことはない。
タマサをケージに入れて獣医さんに向かった。
ケージに入れられたタマサは、鳴きながら、上目遣いに「恨めしや〜」とこちらを見つめる。
その目は、コエリの「恨めしや〜」と瓜二つだ。

「一体何をつけたんだ?」
どうやら、ケガでも病気でもないらしい。
耳を薬品で拭いていくと、耳の毛が剥がれ落ちた。
注射を一本打って、また明日見ていただくことにする。

一夜明けて、タマサの右耳は赤みも熱も引き、きれいになっていた。
これでも、やっぱり獣医さんに行かなければならないのかしらん??
お約束は、守りましょう。

2004/12/18 前回のこのコーナーをお読みいただいて、Necoさん、わかってないなあ、と思われた方もいらっしゃるのではないだろうか。
これまで全く鳴かなかったコエリが鳴いた、という話だったのだが、何と、発情期がやってきたことが判明した。
これまで、去勢・避妊を早め早めに済ませてきたNeco家では、『発情』なる発想など、浮かびようもなかったのだ。
もとより、指一本触れさせない構えのコエリは、避妊はおろか、ワクチンも、ノミとりもできていない。
発情期が来るのも当然のことなのだが、この20年近く飼い猫の発情の叫びを聞いたことがないものだから、コエリが鳴いた、うわあ〜、赤ちゃんみたいな声だ〜、と喜んでいた。
だが、その愛らしい赤ちゃん猫のような声は、日に日に変化し、昨晩などは、巻舌まで混じえた摩訶不思議な声となった。
ご飯は食べるものの、目が覚めている間中、落ち着かず、叫んでは走り、ごろりと一回転しては柱に上り……体も痩せたような気がする。
Neco家には、8匹の男猫がいるというのに、去勢したお蔭でコエリの声の意味もわからず、不思議そうに眺めるばかり。
時折、どうしたの???と近寄るのは、モナコくらいだ。
この機会に、人間が近寄れるかと期待したのだが、やはり、すり抜けられ、それも叶わない。
夜、昼問わず鳴かれては、ようやく開けられるようになった窓も閉め切るしかない。
やれやれ、コエリの春はいつまで続くことやら……
2004/12/13 今朝、こえりの鳴き声を初めて聞いた。
会社の外に居た時も、ネットを使っての捕獲の時も、家へ向かう車の中も、1ヶ月は続いたベッドの下での立て籠りの時も、こえりは声を出したことがない。
いや、なかった、と今朝初めて気付いた。
   ぴー
   ぴょーい
   ぴーよ
その声は、れおなと全く同じだ。
きりりとした気品のある顔だち、他の猫の面倒は見ても、人は寄せつけない過ごしよう、大人びた気高さを感じるこえりの口から出た声は、イメージとあまりに不釣り合いだった。
あどけなく、限り無く幼いその声を耳にして、一同一瞬沈黙、そして堪え切れずに吹き出した。
一体どうしたというのか、冷蔵庫を支えに背伸びしながら、こえりは鳴き続けた。
いつも、こえりに顔を舐めてもらっているぬーちゃんが、巨体をゆすって傍に行くと、こえりちゃんのお尻を舐め始めた。
こえりの声の幼い響きに、父性愛が目覚めたのだろうか。
どうしても埋まらないこえりとの距離が突然縮まったような気がする。
2004/12/10 外で暮らす猫は、冬に備えてしっかり皮下脂肪を貯えるとみえる。
Neco家の大事な家族でありながら、家の中に入ることを拒むロッキーママは、相変わらず玄関先の特別室に寝起きし、外猫同然の暮らし振りだ。
夏場、体重を落とし、心配したのだが、今、艶のよい毛が密集し、ふくよかになった姿を見ると、それもこれも自然に沿った生理現象なのだろう。
特別室には、フリースの毛布の下にホカロンが入れられ、ロッキーママを温かく包んでいる。
夜な夜な外出し、小春日和の日中、寝て過ごすなど、ロッキーママは、野性の猫の習性にしたがって暮らしている。
まさに、自由猫だ。
間もなく14歳になるが、その目は、いきいきと輝き、愛くるしさも失わない。
こんな生きようを、どんな猫にも許してあげたいのだが。
2004/12/7

れおなとモナコは、ようやくお洋服を脱ぐことができた。
服はよほど窮屈だったと見え、2匹とも水を得た魚のように跳ね回っている。
モナコは、服を着ている一週間の間に、ヒゲが伸びてきたのだが、こんなに暴れては、またドラエモン状態に逆戻りだろう。
2匹ともお腹の毛を剃られたのだが、れおなのお腹はヒョウのような斑点模様だ。
猫の模様は、地肌にもついているのか、としげしげと眺めてしまった。

子猫たちは、らーちゃんが大好き。
朝ご飯が終わると、みんな、2階に上がって、らーちゃんにくっ付いて眠る。
らーちゃんが、それぞれの頭や顔をやさしく舐めてあげる中、コエリだけが、らーちゃんの顔をせっせと舐めている。
コエリは、面倒見がいいのだ。

そんな和やかな一団を、ニセドが羨ましそうに眺める。
子猫たちは、間違ってもニセドの傍には行かない。
すれ違い様に猫パンチをくり出しているのだから、当然のことだ。
ニセドには、それが分からないらしい。

2004/12/4

会社の外猫たちは、ズレータを除き、全員肥満傾向にある。
ズレータも、同腹の兄妹、モナコに比べると、一回り大きいのだが、決して肥満ではない。
毎日、同じように食事をしていながら、肥満になる子とならない子がいる。
一体何が分かれ目なのだろうか。
下のステーキ屋さんなど、ズレータが痩せているからと、一匹だけ先にご飯をあげているというのに。

この数日、朝もホワイトソックスが子猫の傍にいる。
去勢に連れていってから、私を一層警戒していたホワイトソックスだが、朝ご飯は欲しいと見えて、『ぼくもいるよ〜』とばかりに、フェンスの陰に身を隠しながら大きな声で鳴く。
子猫3匹にご飯をあげてから、ホワイトソックスのお皿にもご飯を盛って、離れた場所に置く。
最近は、私が子猫の傍に居ても、ご飯を食べにフェンスの隙間から出てくるようになった。
もっとも私が身動きしたり、ホワイトソックスの方に顔を向ければ、さっと隠れてしまうのだが。

チョコはどうしているのだろう。
ちゃんと餌場を確保しているのだろうか。

2004/11/29 新入りの女の子2匹が避妊手術を受け、そろって洋服を着ている。
洋服と云っても、包帯。
筒状のバンデージに手足の穴を開けた貫頭衣のようなものだ。
二日遅れで手術をしたモナコは、
もの怖じしないと云うか、少々ずれていると云うか、入院も手術もまったく意に介さない様子で、退院した日から柱上りに興じている。
ちょっぴりショゲ気味のレオナも、洋服仲間ができて意を強くしたか、元気に飛び回るようになった。
残る一匹、こえりは、相変わらず人間の手が伸びるとさっと逃げるから、手術どころか、ワクチンさえ受けていない。
我が家にやって来て4ヶ月経つというのに…
もっとも、比較的素直にだっこされるシマチュウも、撫でられてゴロゴロ言ったためしがない。
らーちゃんに添い寝してもらえば、5メートル離れても聞こえる程大きくゴロゴロとのどを鳴らすのに…
この4匹が人間に甘え心を持つ日が来るのだろうか???
2004/11/26 Neco家を守るおばあちゃんが、風邪でノックダウン。
おばあちゃんと一緒に暮らすようになって、20年以上も家事と縁のない生活をしているNecoにとっては、大ピンチ。
看病、家事もどき、仕事の掛け持ちで、えらい騒ぎだった。
日頃も、猫たちの食事やトイレの世話をしているとはいえ、すべて一人でやるとなると、話は違う。
13匹という数に改めて気付かされた。
おばあちゃんは、愚痴のひとこともこぼさず、すべてを引き受けてくれていたことに思い当たり、絶句。
そこで一念発起。
回復してからも、できる限りの家事と猫たちの世話をすることにした。
でも、でも、いつまで続くやら……
実の母親に対する甘えがすぐに頭をもたげてくるのだろう。
2004/11/23 インデックス・ページの写真について、一言。
猫がたくさんいると、換気が大きなテーマになる。
網戸ロックを付けても、網を破るからどうにもならない。
Neco家では、特製ウッドデッキを誂えたが、換気という意味では、空気の出口と入り口、両方が必要となるから、ウッドデッキだけではどうにもならない。
今度家を建てる時には、ルーバー窓を一杯つけようと思うが、いつのことやら…
というわけで、大概のドアを開け閉めできるトンちゃんのいるNeco家では万年換気不十分の不健康状態が続いていた。
ところが、昨日、窓の補助錠として売られている、ロックを入手。
窓枠の上下、両方に取り付けてみた。
これは、なかなか具合が良い。
3センチだけ開くように設定。
これなら、子猫たちでも出られまい。
今まで、頑として開かなかった窓がわずかに開いているのを発見したのは、もちろんトンちゃん。
急に空気の流れができて、その他大勢の猫たちも、その窓の前に集まってきた。
もしかしたら、脱走できるかも!
と思ったことは間違いない。
出られるものなら、出てごらん!!
知恵比べの新しいラウンドが始まった。
2004/11/19

会社の外猫一族の避妊・去勢が終わり、
ようやくNeco家の新入り子猫の番が巡ってきた。
トップバッターはシマチュウ。
当日の朝、何を思ったのか、自分からキャリーに入り込んで遊んでいたシマチュウは、そのまま御用となった。
病院へ向かう車の中、久しぶりにシマチュウの声を聞いた。
6月30日だっただろうか、溝にはまっていたところを、お好み焼屋さんのアルバイトに助けあげられ、その腕の中で1キロ四方は聞こえるような声で泣いていたことを思い出した。
家に連れ帰ってからは、一声もなかなかったのだなあ、と改めて気付いた。
シマチュウを眺めていて、思い掛けない発見が一つ。
その背中は、シマではなく、ハンテンだったのだ。
右半分の斑点は、とくにくっきりとして、ヒョウのよう。
左半分は、斑点と縞の中間といったところだが、シマチュウという名前は今さら変えられない。
見ているようで見ていないものだと、唖然とするやら情けなくなるやら。

これからしばらくは、休みの度に病院通いが続く。

2004/11/16 金曜日、ズレータを病院に迎えていった。
ずっとキャリーの奥にうずくまっていたらしいが、私の顔を見て、扉の隙間から手を出す、鼻を出す。
その手を撫で、鼻を撫で、二日ぶりの再会を喜びあった。
ズレータは、毎朝ご飯を持って行く私を待っていて、足音を聞きつけると一目散に走ってくるのだが、抱こうとすると、一旦逃げる癖がある。
ところが、退院した翌朝は、伸ばした私の手を避けるどころか、腕の中に飛び込んで来た。
逃げられても可愛いのだから、こうして胸に飛び込んでこられたらハートはとろける。
入院の思い掛けないプレゼントだ。
その翌朝、またまた駆け寄るズレータに腕を差し出した。
さあ、おいで。
ところが、ズレータは逃げる。
追えば、さらに逃げる。
ズレータは元にもどってしまった。
なあんだ。たった一日か…
今朝も3匹は私を待っていた。
みんなして走り寄ってくるが、先頭はズレータ。
そして、今日も逃げられた。
2004/11/12 月曜日、タマサを去勢手術のため、病院に連れていった。
何も知らず、いつものように私を出迎えてくれたタマサをキャリーに入れた。
中には猫缶少々をいれたご飯皿が置いてある。
扉を閉めようとすると、さすがのタマサも出ようと必死でもがく。
その隙間から、中の猫缶の臭いにつられたズレータが入ろうとする。
妙な光景だった。
キャリーに入ったタマサは、ご飯には見向きもせず、私に必死の視線を送り続けた。
術後は順調で、晩ご飯はしっかり食べ、翌日には退院した。
一日置いた木曜日の朝、私の足音を聞き付けたタマサは、何ごともなかったように、走り寄ってくれた。
今度はズレータをキャリーに入れる。
ズレータは、ずれているだけあって、扉が閉まろうがお構い無し。
ぱくぱく猫缶を平らげている。
キャリーを持ち上げた時に、初めて事の重大さに気付いたのか、
まるで犬のような声で鳴き始めた。
ズレータの去勢手術も順調に終わり、経過も良好のようだが、どうしたことか、一晩経ってもご飯を食べないという。
今日は雨、じめじめしたゴミの上は傷口に良いわけもなく、もう一晩、入院して様子を見ることにした。
タマサとズレータ…反応が正反対の2匹…どちらも同じだけ愛らしい。
2004/11/7

ようやくお天気が続くようになった。
雲一つない青空から、秋の陽射しが降り注ぐ。
水溜りも消えた。
こんな穏やかな日がずっと続けばいいのに…

明日は、タマサを去勢手術に連れていく。
タマサとズレータを一緒に連れていけば楽なのだが、例え一晩でもコエリアネを一人にはしたくない。
だから、一匹ずつ順番にすることにした。

いままで去勢、避妊に連れて行った親猫たちには、すっかり嫌われてしまったが、タマサはどうだろうか。

それにしても、チョコちゃんはどこへ行ったのだろう?
元気でやっているだろうか……

2004/11/4 最近、会社の外猫の元にやって来る人が多い。
このビルで働く若者の憩いの場、癒しの場になっているのだ。
昼休みに猫缶を持ってやってくる女性もいれば、成長の過程を携帯のカメラに記録している人もいる。
夕方には、男性がピンポン玉で遊んであげる。
その他、気分転換やら、嫌なことを忘れるために、いろいろな人がやって来る。
どうやら、守られているのは、彼らではなく、私たちのようだ。
夕べ、ふと猫たちの元に出向くと、みんな、ステーキ屋さんでご飯中だった。
だが、どうも頭数が違う。
ズレータにタマサ、それにコエリアネが2匹いるのだ。
「あなただあれ?どっちがコエリアネなの?」
タマサとコエリアネには、瓜二つの兄弟が他に3匹いるのだ。
どこで暮らしているのか、分からなかったのだが、ついにその内の一匹が登場したわけだ。
肥満気味のコエリアネに負けない体格だから、どこかでちゃんと面倒を見てもらっているのだろう。
道行く猫たちがみんなふっくらしている町…そんな町にしたいと思う。
2004/10/31 ジロちゃんは、NECO家の食客になって早や5年。
最初はロッキーの友だちとしてNECO家に現れ、ロッキーなきあとはファイトの舎弟となり、ファイトが去ってからはロッキーママのかけがえのない茶飲み友だちだ。
そのジロちゃんのほっぺたに、またまた大きな穴が開いた。
前回の穴は右頬、今回は左だ。
前回、傷口を見たときは、てっきり何かに引っ掛けてしまったのだろうと思った。
毎日消毒をし、薬をつけ、抗生物質を飲ませたが、一向に治る様子もなく、半ば諦めかけたころ、見る見るうちにきれに完治した。
それと全く同じ傷がまたできた。
つい先日読んだ本に、突然ピンポン玉のような穴が体に開いた、という記述があった。
それは猫エイズの症状の一つだという。
本の猫は、穴に続いて口内炎となり、命が尽きてしまう。
ジロちゃんも同じ経緯を辿るのだろうか。
傷の手当てをしながら、ジロちゃんの明日を思う。
2004/10/28

昨日、ようやく新入り子猫を2回目のワクチン接種に連れていった。
と云っても、こえりちゃんとれおなちゃんには逃げら、シマチュウとモナコの2匹だけを連れて出かけた。
2ヶ月前には1.7キロだったシマチュウは3キロになっていた。
モナコは2キロ。
お転婆で、ヒゲが全部折れてなくなっているモナコを眺めて、先生は、思わず吹き出した。
鼻炎でゼロゼロ言っているモナコ、顔だけ見ると、何とも女らしく頼りなげで、わずかに哀しみをたたえた目のモナコだけに、そのミスマッチがよけいに可笑しいのだろう。
2匹とも歯が抜け替わる時期だそうで、歯茎に炎症が見られたが、ほぼ順調に育っているとのこと。

さあて、後の2匹をどうやって捕まえるか、頭が痛い。

2004/10/25

前回の更新の時には、台風23号のお見舞い、
そして今日は、新潟中越地震のお見舞いを申し上げることになろうとは……

皆様、御無事でしたでしょうか?
度重なる台風の上陸に加えて、地震まで…
この一連の天災の波状攻撃に、自分の足下がいかに脆弱かを改めて思い知らされます。

いつもと変わらずに目覚め、いつもと変わらぬ人と挨拶を交わすことの有り難さを噛み締めなければ…と思います。

台風の翌朝、外猫の変わらぬ姿を見たときの、あの気持ちを、誰に対しても持っていなければならないのでしょう。

一日も早いライフラインの復旧を念じております。

2004/10/22

今年10個目の台風上陸。
各地で大変な爪痕を残していきましたが、皆さん、御無事でしたでしょうか?
被害に遭われた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

我が家の近くを流れる善福寺川も、
前回の台風22号のときに、恐ろしいほど増水していて、今回は、ダメかもしれないと案じておりました。
何しろNECO家は、三方を坂道に囲まれた、まさに底に位置しているのです。
それでも、余程治水が上手くいっているのか、溢れることがありませんでした。
というより、覚悟したほどの雨量ではなかったのです。

洪水にみまわれた地域では、避難するのが精一杯だったことでしょう。
犬、猫、家畜…みんなどうしたでしょう……
ここ数年の異常気象も私たち人間が招いたものなら、その犠牲になった命たちにどう詫びたらよいのか……

会社の外猫たちは、お陰さまで皆無事。
翌朝、乾いた毛で私を出迎えてくれました。

2004/10/17 今日は、本当に久しぶりに雲一つない晴天となった。
こんなにも陽ざしが有り難いと思ったことはない。
洗濯物はからりと乾くし、布団も干せる。
そして、なにより外猫たちが、ゆったりと眠ることができる。
朝ご飯が済むと、ひとしきり眠るのが日課の外猫たちだが、いつも起き出す時間になっても、まだ3匹くっついてぐっすり寝入っている。
やって来たホワイトソックスは、手持ち無沙汰らしく、うろうろ歩き回っては、背伸びを繰り返している。
だが、子猫たちが眠る狭いビルの谷間に太陽は射さない。
食事場所にも、遊ぶスペースにも陽だまりはない。
事務所のバルコニーに上がってくれば、ぽかぽか、ぬくぬくなのに…
ロッキーママなど、雑作もなく、このバルコニーにやって来ていたのだが、子猫にはまだ無理なのだろうか。
バルコニーに来てくれさえすれば、人に知られることなく、雨や寒さをしのぐ小部屋を作ってあげられるのに…
2004/10/14 0月に入って、陽が射した日が一体何日あっただろうか。
台風が過ぎ去っても雲は厚く重なったまま。
洗濯物は乾かず、部屋中に下がったありったけのバスタオルが一層湿度を高くしている。
そのタオルを一枚一枚床に落とし、嬉々として大暴れしているのは、子猫4匹。
ウッドデッキに出られないことも、気にならないと見える。
ところが、大人猫の面々は、鬱陶しい毎日に辟易したらしい。
体調もすっかり壊して、今朝は、全員が吐く始末。
カラリと晴れた日は、いつ戻ってくるのだろう。
2004/10/11 これまでになく強い勢力の台風が東京にも上陸するという。
920ヘクトパスカルから930へと若干数字は上がったものの、依然、空恐ろしいほどの勢力に違いはない。
事務所のベランダまで上がってくれば避難場所も作ってやれるのに、未だ、子猫たちは地面を離れることのない2D生活を送っている。
空を見上げると、何層にも重なりあった灰色の雲が猛烈な勢いで流れていく。
貴重な雨宿り場所を一つ失ってしまった子猫たちは、一体どこでこの暴風雨をしのぐというのだろう。
空と台風情報を代わる代わるに睨む。
3時、ホワイトソックスが大きな声で子猫を呼んだ。
猫には気圧の変化を敏感に感知する能力があると言われる。
いよいよ接近、上陸なのだろうか。
ホワイトソックスが、子猫を安全な場所に誘導していくのだろう。
そう思わなければ、私の頭は白髪だらけになりそうだ。
夕方6時、早めに帰宅の途につく。
開いた傘は呆気無く風にこわされた。
駐車場まで一思いに走る。
全身ずぶ濡れとなり、家に着く頃には体の芯まで冷え切っていた。
お風呂に飛び込み、あたたかいお湯につかりながら、猫たちを想う。
雨にあたっても体が解けてなくなりはしない、と思うことにしたものの、寒かろう、心細かろうという思いで、私はいくら湯舟につかっていても体があたたまることはなかった。
台風一過の晴天を期待していた翌朝も、どんよりと曇り、時折小雨がぱらついた。
会社に着いて、大急ぎでご飯を手にいつもの場所に走る。
子猫の姿はないものと思いつつ、ビルの裏手に回る。
3匹の子猫はいつもと変わらず私を待っていてくれた。
水はけが悪く、大きなプールと化した通路を、水しぶきを上げながら走ってやって来る。
「怖かったでしょ。どこにいたの?」
撫でたタマサとズレータの体には、雨粒一つついていなかった。
ビルの隙間からホワイトソックスの大きな一声が聞こえた。
2004/10/8

3日降り続いた雨が止み、ようやく晴れたと思ったら、また雨。
会社の外の猫たちの雨宿り場所の一つがなくなってしまった。
階下のステーキ屋さんの裏口の横には変電室があり、その扉には、腐食してできた、ちょうどいい大きさの穴が開いていた。
猫たちにとって、その穴こそが出入り口。
ちょっとした雨をしのぐ格好の場所だった。
ところが、この素敵な扉が、ぴかぴかの新しい扉に取り替えられてしまった。
早晩、交換しなければならない代物だったが、つい先日、「猫にエサをやらないように」と通告された私には、その新品の扉自体が『猫立ち入るべからず』という貼紙に見えた。

3匹の外猫たちは、朝ご飯を終えると、午後2時半まで、ビルの隙間のゴミの上で眠るのが日課だ。
小雨降る今日は、どうしているかと、隙間を覗くと、タマサが独りで雨に濡れながら眠っている。残る2匹は、おそらく隣のビルの外壁に埋まっている丸い管の中だろう。
今までは、その管と変電室とに分かれて雨宿りしていたのだが、変電室を失った今、タマサは行き場がなくなったのかもしれない。
私は慌てて、会社に置いてあるキャリーを持って階下に降りた。
名前を呼ぶと、すぐにタマサはやってきた。
キャリーに入れて、事務所に運ぶ。
善かれと思ってのことだが、タマサには有り難迷惑の様子。安心して眠ればいいものを、キャリーの奥で目を目一杯見開き、固まっている。
やがて、その目は、『恨めしや〜』に変わった。我が家に来た当初のこえりちゃんの目と同じだ。
3時になれば、ステーキ屋さんの裏口に全員集合する。その時、タマサを合流させよう。

ぴったり3時に、階下から集合の合図が聞こえた。
ホワイトソックスが子猫を呼んでいるのだ。
ズレータとコエリアネが、すぐにやって来た。
私は、キャリーを持って階下に降り、皆が見えるところで扉を開けた。
タマサは、皆の元に走っていった。
私のこと、もう嫌いになったかな?嫌われても仕方ない、怖い思いをさせたのだから…
「タマサ〜」
一声掛けると、タマサは、走って私の膝に乗った。

2004/10/4 つい2、3日前は30度を超える真夏日だったのに、
昨日、今日と冷たい雨が降り止まず、エアコンを冷房から暖房に切り替えるほど。
シャム猫の血が入っているらしい新入り4匹の中でも、毛色を除けばまさにシャム猫、というシマチュウは、家の中だというのに小刻みに震えている。
この雨はあと2日降り続くという。
会社の外猫3匹を思うと私の胸にも雨が降る。
雨をしのぐ場所は2ケ所。
一つは、隣のビルの壁に開いている穴。
もう一つは、扉に腐食した穴があいているこのビルの変電室。
隣のビルの穴は定員1匹らしく、2匹が変電室、ということになる。
変電室の中がどうなっているのか、扉が開かないのでわからないが、2匹は、扉の穴ぼこのすぐ向こうに重なりあって眠っている。
お尻が穴からはみ出している。
これからどんどん寒くなる。
多少なりとも雨や寒さから守ってやれる箱さえ、置いてやれなくなった今、私は、何度となく、変電室の扉からはみ出たお尻を見に行っては、ため息をつくばかり。
3匹の内の1匹、ズレータは、我が家の新入りの兄弟だ。
たった1匹、保護の手から逃れてしまった。
家の中と外と、猫たちにとって、どちらが幸せなのか分からないが、同じ兄弟でありながら、家の中で震えるシマチュウと、お尻半分に雨を受けながら眠るズレータ……
その運命を分けるのは、いったい何なのだろうか。
2004/10/1 新入りの子猫4匹は、人に甘えようとしない。
先住お兄ニャンに甘えているからだろうか。
競うように、おばあちゃんの膝を取り合う、甘えん坊先住猫はもちろん可愛いが、
人間とちょっと距離を置いて、自分の世界で遊び戯れる子猫たちにも、また違った愛らしさがある。
ただ、この4人組、悪戯が何とも派手なのだ。
障子は猫にとって格好の悪戯道具だが、先住6匹兄妹きっての悪戯坊主、トンちゃんは、障子が張り替えられるたびに、小さな穴を開けるだけなのに対して、新入り4匹は全員で、障子紙すべてをビリビリと剥がしてしまう。
障子は無惨にもさんだけになる、という具合。
4匹の中でも、特にワルワルなのは、モナコちゃん。
小さくて、細くて、女の子らしい、その顔に惑わされてはいけない。
どこから出てくるのかと訝るほどの、猛烈なエネルギーで悪戯を重ねる。
そのお陰で、モナコちゃんのヒゲは、1ミリしかない。
全部折れてしまっている。
でも、モナコちゃんがワルワルで良かった。
と言うのも、モナコちゃんは慢性の鼻炎なのだ。
いつもゼイゼイと苦しそうに息をする。
眠っている時も、ほっぺたとお腹が大きくうねる。
もし、大人しくされていたら、心配でたまらないだろう。
心配しなくていいように、と神様が悪戯娘にしてくれたのかもしれない。
2004/9/27 夜中、突然、部屋の電灯がついて、何ごとかと目覚めた。
何のことはない、宮沢さんが犯人とわかった。
天井から下がる電気の紐に、ジャンプ一発、見事点灯というわけだ。
ゆらゆらの紐を空中で引っ張るのは、けっして容易くない。
集中力が勝負だ。
こんな一芸を持つのは宮沢さんだけ。
日頃は、迷惑なこの芸も、今回ばかりは嬉しかった。
宮沢さん復活の、何よりの証だからだ。
案の定、翌朝、大好きなテレビ番組のテーマ曲が流れると、深い眠りからパッと目覚め、テレビの前に正座した。
15分間、脇目も振らずに画面を食い入るように見つめる。
これが本来の宮沢さんなのだ。
ああ、良かった。本当に良かった。
2004/9/23 今朝、チョコちゃんが子猫3匹と一緒に私を(ご飯を)待っていてくれた。
捕獲前と同じように、鳴きながら近付いてくる。
チョコがくるかも知れない、と今日はご飯皿を余分に家から持ってきていた。
4枚のお皿にご飯を入れて、それぞれの前に置く。
ところが子猫たちは、隣のお皿が気になるらしく、自分のご飯には手をつけずに、それぞれが隣のお皿に頭を突っ込む。
一番端にいたチョコのお皿は、左隣のコアネに取られてしまった。
一番食べてほしいのはチョコなのだ。
私は、珍しく子猫たちを叱った。
叱られてか、隣のお皿も同じと確認したからか、子猫たちは、ようやく自分のご飯を食べ始めた。
チョコも食べた。夢中で食べた。
途中、お水の皿を差し出したのが怖かったらしく、チョコはさっと身を引き、そのまま帰ってこなかったが、
この調子なら、明日もまた、4匹で出迎えてくれるだろう。
管理組合からのクレームで、猫たちが食べている間中、キョロキョロしながら辺りの掃除をし、食べ終えるとすぐにお皿をしまい込む、という哀しい状態になってしまったが、猫たちが元気でいてくれれば、それでいい。
猫たちとの甘いひとときは、日が落ちてからのお楽しみにしよう。
2004/9/19 ほうけた宮沢さんが心配で、病院に連れて行った。
診察の結果、異常は見つからなかった。
ただ、落ち着きがなく、神経がピリピリしているとのこと。
レバー主体のサプリメントで、多少改善されるかもしれないという。
そのサプリメントをいただいて、さっそくご飯にまぜてみたが、苦いのか、さっぱり食べなかった。
取りあえず内臓の異常はなさそうなので、安心はしたものの、この先、どんな環境を用意したらいいのやら。
その日、もやもやとした気持ちで会社から帰った私を出迎えてくれたのは宮沢さんだった。
目も多少生気を取り戻し、一言二言、おしゃべりも聞かせてくれた。
あれ、宮沢さん、どうしたんだろう。
病院は好きではないにしても、自分一人、特別待遇されたことが嬉しかったのだろうか。
今回の宮沢さんの異常については、お父さんが気に病んでいたことがある。
宮沢さんは時としてエキセントリックになりすぎて、エリちゃんと喧嘩する。
2匹の雲行きが怪しくなったのを見て、お父さんは、宮沢さんを部屋の外に追い出したのだそうだ。
しかも2回立続けに。
宮沢さんは、それに傷付いたのではないか、と気にしていたのだ。
4匹の子猫の出現が原因と思っていたのだが、直接のきっかけは案外これかもしれない。
だから、自分一人の病院行きが嬉しく、立ち直りを見せはじめたのだろう。
今朝も、2階に私を起こしにやってきて、一緒にお風呂に入った。
元の宮沢さんの習慣が戻ろうとしている。
2004/9/16 宮沢さんの様子がおかしい。
顔つきもまるで変わってしまった。
あの好奇心旺盛なブルーの目は、奥の方にひっこみ、トロンとして生気がない。
いずれ人間の言葉も話すのではないか、と思われるほど饒舌だったその口は、への字に結ばれたままだ。
私がお風呂に入れば、必ずお風呂やって来て蓋の上に乗ることも、
おばあちゃんと枕を並べて眠ることも、
日曜朝のNHKの番組を見ることも、
宮沢さんならではの習慣がはすべてなくなってしまった。
名前を呼んでも返事はおろか、振り返ることもしない。
一体どうしたというのだろう。
まるで、惚けてしまったように、ぼーっと一日を過ごしている。
ご飯は食べているし、どこを触っても痛そうな素振りもない。
子猫4匹を迎えたのが、原因だろうか。
子猫たちには、なぜか人気のある宮沢さんは、子猫が寄れば、身繕いをしてやっているのだが…

一昨日から宮沢さんに声を掛け続け、元の習慣を取り戻せるように心掛けている。
『教授』とも呼ばれた、集中力の固まりのような宮沢さんを、再び見ることができるだろうか…
一難去ってまた一難。
ああ……
2004/9/12

9日の夕方、チョコとコエリアネの2匹が同時に退院となった。
大手術となったチョコは心配だったが、もう大丈夫とのこと。
これ以上入院していると、ストレスが溜り過ぎるということで、2匹一緒に連れ帰った。
車を降りるなり、いつも食事をする場所に運んだ。
2匹の泣き声に、留守番をしていた2匹も寄ってきた。
チョコは、キャリーの扉をあけようとする手もひっかく勢いで、扉が開くなり、いつも眠っていたフェンスの隙間めがけて走り去った。
ゆっくり安心して養生するように、と声を掛ける間もなく、お腹の傷を垣間見ることすらもできなかった。
瞬時に消えた後ろ姿を、留守番組は不思議そうに首をかしげて見送った。
一方のコエリアネは、扉を開けてもキャリーの奥に縮こまって大きな声で泣くばかり。
キャリーを逆さにして、ようやく逃げていった。

翌朝、いつものように食事を持っていった。
入院前には、私の足音をいち早く聞き付け、私を出迎えてくれたチョコの姿はない。
予想どおりだが、やはり寂しい。
ブリキのお皿にドライフードを入れる、パチパチという音を聞き付けて、タマサとズレータが顔を出した。
その後ろから、コエリアネがやって来た。
予想外だった。
今回のことに懲りて、しばらくは私の姿を見たら逃げるだろうと思っていた。
それが、捕獲前と変わらず、ちょっと距離を置いたところで、自分のご飯が置かれるのをじっと待っている。
体の傷も、心の傷も小さくて、本当に良かった。

退院してから3日。
チョコの姿はどこにも見えない。

2004/9/9 月曜日、入院中のチョコちゃんに差し入れを持って面会に行った。
広いケージの中でも落ち着いて眠れるようにと、キャリーが入れてあるのだが、チョコは、このキャリーの向きに好き嫌いがあるらしく、随分先生を困らせたようだ。
大変な手術だったが、栄養状態が良く、若かったことも幸いして、経過は順調。
残る雌猫は、子猫だけとなったが、安心していると兄妹、親子でも掛かってしまうという。
子猫と云っても、少なくとも生後5ヶ月にはなっている。
もう避妊した方が良いとのことで、急遽、その子をキャリーに入れて病院に戻った。
他の2匹と違い、警戒心が強く、懐かない子だったが、子猫は子猫、猫じゃらしを振ると、難無くキャリーに入ってくれた。
この子猫の名前は、『コエリアネ』。
コエリちゃんと従姉妹なのだが、コエリの姉といういうことにしよう、だからコエリアネ。
ケッタイな名前だが、すぐに別名が付くことだろう。
残る2匹の雄の子猫は、月齢7ヶ月を待ってから去勢することになった。
チョコとコエリアネの入院中は、この2匹で留守番だ。
折しも台風18号がやってきた。
家まで揺れる強風の中、どうしているかと、眠れぬ夜を過ごした。
翌朝、事務所につくなり食事を持って階下に降りる。
名前を呼んでも姿を見せない。
不安にかられながら、名前を呼び続ける。
マタサ、ズレータがようやくビルの隙間から顔を出した。
大きなあくびをしながら、ゆっくりと歩いてくる2匹を抱き上げて、思いっきり抱き締めた。
彼等は頼もしい。
2004/9/5

Neco家の二世帯住宅状況が解消されて久しいが、
それでも
ニセドトンちゃんらーちゃんに対する猫パンチは止むことがない。
すれ違い様にくり出される素早い猫パンチに、
らーちゃんの頭はいつもでこぼこだ。
一昨日の早朝、ウッドデッキで先住猫同士のケンカが勃発。
慌ててウッドデッキを覗くと、
ニセドトンちゃん宮沢さんぬーちゃんが、らーちゃんを囲んでいる。
全員が背中の毛を逆立て、尻尾を太くして
らーちゃんを睨み付けている。
辺りには、
らーちゃんのものと思しき毛束が散っている。
まん中で小さくなっている
らーちゃんを、おばあちゃんが抱きあげた。
一体原因は何だったのだろう。

夕方、おばあちゃんが目を疑うような光景を目にした。
ニセドが子猫を抱いて眠っていたという。
ニセドは、これまで、子猫が近付けば「ハーッ」と威嚇するばかりだった。
一体どういう風の吹き回しだろう。

朝の喧嘩の原因はどうやらこの辺にありそうだ。
推測するに、
らーちゃんが子猫に慕われていることを鼻にかけたのだろう。
らーちゃんは、何につけ、度が過ぎるというか、図に乗るというか、鼻持ちならなくなるのだ。
子猫は、お兄ニャンとして良く面倒を見てくれる
らーちゃんの後をくっついて回り、一緒に眠った。
そのせいか、
らーちゃんは、大好きだったおばあちゃんの膝にくることもなくなっていた。
4匹の子分を従えたような気分になった
らーちゃんが、先住猫たちには面白くなかったのだろう。

ニセド、子猫を抱いて眠る気分はいかがでした?

2004/9/2 去勢をした外の雄猫、ホワイトソックスが、日中も姿を現わすようになった。
ずいぶんふっくらとしたが、去勢の影響だろうか。
母猫(チョコちゃん)の体も、ずいぶんふくよかになってきた。
確かに食事は十分にあげているのだが、もしかしたら……
時間はもうない。よし、明朝、捕獲決行!!
と、昨晩意を決した。
キャリーを使うか、捕獲器か…
チョコちゃんとの心の距離はずいぶん近付いたとは云え、警戒を解いてくれたわけではない。
触れることなど夢のまた夢。
でも、私の横にご飯を入れたキャリーを置くと、中に入ることは入る。
一昨日、尻尾まですっぽり入ったのを見て、「チャンス!!」と思ったのだが、瞬時に高まった私の動悸が伝わったかのように、飛び出してきてしまった。
捕獲器の方が確実なのだろうが、子猫の目の前で捕獲器を使うのは憚られる。
やはり、キャリーで何とか捕獲しよう。
中にトリの唐揚を入れれば、もう少し長く入っているかもしれないし…
落ち着いて一連の動作ができるよう、必至で、捕獲の瞬間のイメージトレーニングをした。
だが、その度に心泊数が跳ね上がり、眠れぬ夜となった。
実行あるのみ!!
唐揚を用意して準備に取り掛かる。
まず子猫たち用に3つの皿に唐揚を入れ、チョコの唐揚をキャリーの中にセットする。
子猫は、思い掛けないご馳走に夢中になっている。
チョコも、その香りに、早く食べたくて仕方がない様子。
キャリーの中にたくさんあるのよ、さあ、どうぞ。
ところが、チョコちゃん、いつもと違うご馳走に、不信感を抱いてしまったらしい。
食べたい、でも怪しい……
結局、キャリーに入らず終いで、本日の捕獲は失敗に終わった。
2004/8/29 外の子猫たちは、本当に愛らしい。
屈んでご飯を用意する私の足の間から顔を出し、太ももに両手を掛けて、「今日はどんなご飯?」と問いた気な様子で顔を見上げる牡猫に、
『玉三郎』という名前を付けた。
こえりちゃんを一回り大きくした子猫が2匹いるのだが、玉三郎は首のところに一つ、玉のような模様が入っている。
もう一方は、雌猫で、こちらは、母猫同様、まだまだ私に気を許していない。
ご飯を入れた袋の中にガサゴソ入り込むのは、モナコちゃんと同柄の牡猫。
鼻の先は、墨を塗ったように真っ黒だが…
この子には、なぜか、まだ「これっ!」という名前が浮かばない。
名前を付けると、その瞬間から特別な存在になるという。
トリは食べても、「ぴーこ」は食べない。
外の4匹の内、玉三郎だけが家族になったのだろうか???
2004/8/26 ホームレスの猫の去勢・避妊手術の助成金を給付する自治体は多いが、遅ればせながら杉並区でも9月1日より実施されることになった。
聞くところによると、杉並区にもかつては給付制度があったらしい。
それがなぜか廃止になってしまっていたのだ。
そんな行政に、署名活動をしようという話も耳に入っていた折りも折り、突然の給付開始となった。
何年前だったか、区報に『のら猫にエサを与えないでください』と書かれているのを見て、激怒したのだが、今回の区報には、助成金給付のお知らせとともに、エサを与える場合のマナーを記述してあった。
ようやく……とほっとした。
これを機に、私たちのエサのあげ方を振り返り、もう一度、その責任を考える必要があるだろう。
前進しつつある行政の対応を後退させないためにも……
2004/8/22 猫じゃらしで遊びながら、こえりちゃんの手や足をかすめるように触っていたが、こえりちゃんは、どうもこれが気に喰わなかったらしい。
徐々に縮まっていた人間との距離が、また遠のいてしまった。
少しずつでもスキンシップに慣れてもらおうと思ったのだが…。
こえりちゃんとの接し方をリセットしなければならない。
こちらから接近する素振りを控えることにした。
すると、にわかに、こえりちゃんがこちらの目の前に現れることが多くなった。
今朝など、食事のテーブルにまで上がってきた。
こえりちゃんは、猫の中の猫なのかもしれない。
すべては、こえりちゃんの気の向くまま、こえりちゃんの主導で動かなければならないのだ。
Dogs have a master, Cats have a staff.
という言葉の意味を実感している。
2004/8/17

事務所ビルの裏では、例の母猫が自分の子供一匹と一族の子供二匹の面倒を見ている。
常時いるのは、この4匹だけになった。
わたしは毎朝、ご飯を持って行き、周辺の掃除をしている。
その時間割に慣れ、警戒を解きはじめた4匹は、私の足音を聞き付けると、すぐに姿を現わすようになった。
中でも我が家に連れ帰ったモナコちゃんとほぼ同じ柄の子は、走るようにやってくる。
私は、毎度、猫じゃらしで子猫に遊んでもらっている。
そんな平和な時間のお陰か、昨日は、子猫の内の2匹を抱くことができた。
いずれも男の子だった。
我が家の『こえりちゃん』(エリトンのこと。女の子と分かって、『こえりちゃん』と改名)は、相変わらず、だっこできないというのに…
母猫の避妊が済んでいないのが、気になっているが、最近では、母猫が子猫の後ろにいることが多く、母猫を捕まえることは至難の技だ。
捕獲器を仕掛けても、子猫が入ってしまうのは間違いない。
こうなったら、心を通わせ、ケージに入れるしか手はない。
子猫が無事成長しているせいか、はたまた多少なりとも私に気を許し始めたせいか、母猫の目は、同じ猫と思えないほど穏やかになった。
いや、このところ、私が下心なく接しているのを見破ってのことかもしれない。
母猫の避妊は長期戦になるのは必至だが、それでもあまり時間はないだろう。
さて、どうしたものか…

※避妊、去勢を済ませた猫たちも、夕刻になるとステーキ屋さんにご飯をねだりにやって来る。
御安心を……

2004/8/13 ロッキーママの大切なお友達、ジロちゃんが、首に深手を負った。
ご飯を食べにやってきた時にその傷に気付いたおばあちゃんは、あまりの酷さに、足が痛むのも忘れて、飼い主の家に急いだ。
消毒をするにしても、体を押さえていてもらわなければならない。
飼い主夫妻がびっくりしてやって来た。
だが、猫の扱いに慣れない飼い主さんは、押さえるのも怖ごわで、ジロちゃんの体は簡単にすり抜けてしまう。
それでも何とか、消毒を済ませた。
ジロちゃんは相変わらず実家には帰っていないという。
neco家ではご飯を食べるだけだから、一体どこで寝ているのだろう。
翌日、獣医さんに飲み薬と塗り薬を処方していただいた。
ご飯を食べに来たジロちゃんに、おばあちゃんが「傷を見せて」と声を掛ける。
ジロちゃんは、それが分かったのか、食べるのを途中で止めて、
顔を回し、顎を上げて、傷口を見せた。
唸って怒るのではと予想していたおばあちゃんは、ジロちゃんのその仕種に胸が熱くなったという。
しっかりと消毒をし、薬をつけてもらったジロちゃんは、薬入りのご飯を平らげた。
飼い主さんも心配して、また顔を見せてくれた。
御主人曰く、
「ジロがぼくを見る目と、おくさん(おばあちゃんのこと)を見る目は全然違うんですね。
自信がなくなってしまいました」
ジロちゃんは、今日も薬入りのご飯を食べにやって来た。
2004/8/9 最後に保護した子猫、エリトンは、どうも女の子らしい。
相変わらず、こちらが動けばパッと逃げて、安全なところに身を隠し、だっこはまだまだ叶わぬ夢なのだが、それでも、猫じゃしの誘惑が『怖い怖い』をしのぐようになってきた。
50センチという距離をおいて、どっかと座り込み、猫じゃらしを振る。
エリトンは、50センチに安心して、手を伸ばす。
遊ぶこと10分…エリトンも50センチの距離を忘れる瞬間がある。
エリトンの手と私の手がかすかに触れる。
伸ばした私の指がエリトンの足を撫でることもある。
ほんのわずか、ピクリとするが、それでも遊び続ける。
エリトンが仰向けになった時に、ちらりとお尻のあたりに目をやった。
やや、ややや、もしかして女の子????
事務所のバルコニーから眺めていた時から、この子は男の子と思い込んでいた。
あらまあ、と思う一方で、やっぱり、という気がしないでもない。
男の子むーみんの遊ぶ姿と比べて、どことなく女の子っぽいと感じていたのだ。
この手でしっかり抱いて、性別を確認できる日は近いのか、遠いのか…
2004/8/2

これまでneco家にやって来たロッキーママの子供、8匹を見るにつけ、同じ兄弟でも十人十色、いろいろな性格があるものだと、感心しきりだった。
ところが、今回、別の4匹兄弟を迎えて、逆に、ロッキーママ一族の共通点が浮き彫りになった。

昨日、おちび4匹が遊ぶようにと、ねずみのオモチャを渡した。
ニセドをはじめ、ロッキーママ一族にも人気のアイテムだ。
そのチュンチュンをガブリとくわえ、「うーうー」と唸っているのがエリトンだった。
その他3匹のおチビもチュンチュンで遊びたい。
エリトンの回りを囲んで、譲ってくれるのを待つ。
ところが、エリトンはチュンチュンを放さない。
いつまでたっても放さない。
結局、3匹は諦めて、散っていった。

ロッキーママの一族の場合は、ある程度遊ぶと、チュンチュンをその場に残して、すっと立ち去る。
そのチュンチュンで2番手が嬉々として遊ぶ。
こうして、チュンチュンは順番待ちの全員に渡っていく。
ロッキーママ一族は、お人好しなのだ。

脳天気のロッキーママと、1歳にもならないというのに子育てに余念のない母猫、そんな親の血が子供たちに引き継がれているのだろうか。

2組の兄弟たちを眺める楽しさが増えた。

2004/7/30

「これから帰る」という私の電話を受けたおばあちゃんの声がはずんでいる。
エリトンが一階まで降りて来て、みんなと元気に遊んでいる、と言う。
その上、おばあちゃんは、だっこまでしたのだそうだ。
嬉しい知らせに、一日の疲れもすっ飛んだ。
家に着くと、遊び疲れた4匹の子猫は、思い思いの場所で眠っていた。
でも、どうやって一階に降りてきたのだろう。
よく聞いてみると、ゆうちゃん(一人息子)が抱いて降りてきたとのこと。
ゆうちゃんは、ずっと前からエリトンをだっこしていたと言う。
一体どういうこと?????

今朝、私たちより先に一階に降りていった4匹は、ウッドデッキで遊んでいた。
エリトンは?と見渡すと、一人ラティスの一番上に上ったはいいが、下りられずに困り果てている模様。
これを助けてあげれば、私にもなついてくれるだろう。
チャンス到来、と手を伸ばした。
エリトンは、「ハーッ」と威嚇してみたものの、足場が悪く身動きできない。
エリトンは、ついに私の手につかまった。
ところが、次ぎの瞬間、猛烈な勢いで手足をばたつかせ、身を捻り、手から落ちるように逃げ出した。
エリトンを逃した私の手は、血だらけだった。
おばあちゃんが一言、「あの子は、ままのことが嫌いなの?」
そうなのかもしれない…
ステーキ屋さんの開店前の店に閉じ込められ逃げまどうエリトンを、洗濯ネットで捕まえたのは私だ。
その最初のイメージが、刷り込まれてしまったのだろうか。
それなら、目だし帽か、節分の時の鬼のお面でもかぶろうか。

2004/7/25 4匹目に保護した子猫、エリトンも少しずつ少しずつ人間の存在に慣れてきた。
未だに触ることは叶わないが、私たちがいても、ベッドの下から姿を見せることが多くなった。
胸に抱けるようになるまで、まだまだ時間がかかるだろうが、このまま順調にいけば、『オペラ座の怪人』のように潜み続けることはないだろう。

エリトンのいる部屋には、子猫の他にエリちゃん、そしてときどき宮沢さんがやって来る。
あんなに警戒心の強いエリトンなのに、エリちゃんや宮沢さんを怖がることはなかった。
見知らぬ猫でも、信頼に足るらしい。
一方、人間は、せっせとご飯を運んでも、決して油断ならない、ということか。
哀しいけれど、エリトンのこの判断は正しいのかもしれない。
人間と猫、さあどちらが信じられる?
と聞かれて、『人間』と即答できるだろうか。
2004/7/22 事務所ビルの外の猫騒動はまだまだ続いているが、慣れぬことに青息吐息のこちらの心中を察してか、はたまた子猫が成長してきたからか、いつもの場所にいる猫の数は減ってきた。
というか、食事のときだけバラバラにやって来るようになった。
そのお陰で、こちらも多少余裕をもって事に当たれるようになった。
一昨日の朝、意を決して2匹の捕獲に挑戦することにした。
捕獲器を持って階下に降りると、しめしめ、母猫が一匹でいる。
またとないチャンス。
捕獲器を設置して、何喰わぬ顔つきでお水を汲みに行く振りをする。
ビルの角を曲って、そっと様子を探る。
な、何と、どこから現れたのか、手足の先の白い猫が捕獲器に入ろうとしている。
この一族に手足と鼻筋の白い猫は2匹いる。
うら若いおばあちゃんと、母猫の兄弟だ。
でも、この時間にいるとすれば、おばあちゃんに違いない。
パタン…母猫の前で、おばあちゃんと思しき猫が捕獲器に捕らえられた。
すぐに事務所に持って上がる。
掛けたカバーの隙間から中を伺かがうと、鼻が白くないではないか。
おばあちゃんは、鼻の先だけは黒いはずなのだ。
この猫は、牡なのだろうか????どちらだか分からない。
牡だったら、どうしよう。
一瞬考えたが、やはり獣医さんに連れていくことにした。
もし牡でも、去勢しておけばホームレスを増やさないための僅かな貢献にはなるだろう。
夕方、先生に電話を入れる。
やはり牡だった。
ちょっぴりがっかりした。
術後、化膿の心配がある時期だけに、雌猫と同じだけ入院させていただくことにした。
彼は、明日退院してくる。
2004/7/18

自分の家に連れ帰れないホームレスの猫たちと向き合うのは容易なことではない。
それは前々からわかっていた。
だから、そうした猫たちと出会いそうな場所には出かけなかった。
それが、毎日、10時間以上を過ごす事務所の真下に猫は現れた。
しかも総勢16匹…
人を寄せつけない猫の避妊や保護自体、それなりのエネルギーを要するのは当然だが、どうしてここまで焦り、気疲れするのだろう。

あらあら、ホームレスの猫?
これ以上増えないようにしましょうねえ。
まずは雌猫の避妊ねえ…

鼻歌まじりにはできなくても、もっとゆったり構えてできてもいいはずなのに。
この気疲れの原因は、ホームレスの猫を病原菌のように忌み嫌う人々が、当然のように振り回す『迷惑』という言葉なのだろう。
いつからこんなになってしまったのだろう。
室内飼いなどしていなかった昔は、ホームレス以外にも外を歩き回る猫は多かっただろうし、昔は猫が嫌いな人がいなかったという訳でもないだろう。
それでも、もっと鷹揚にそこにいる猫を受け入れてきたのではないだろうか。
猫嫌いな人は、『しっ、しっ』と追い払い、それで済んだような気がする。
今は、何につけ、嫌うのではなく、忌み嫌うようになった。
その心のゆとりのなさが、ホームレス猫と向き合う側に感染し、ホームレス猫を忌み嫌う人を、忌み嫌うようになる。
ははは、これでは悪循環に巻き込まれるだけですなあ。
ホームレスの猫や外猫を忌み嫌う人を鷹揚に受け入れる心のゆとりを、こちらが持たなくてはねえ。
目くじら立てて理論武装するのではなく、鷹揚に構える「ゆったり」気分を分け合うことの方がずっと大切なのではないだろうか。
私の気疲れは、『忌み嫌い』感染症。
まずは、『ゆったり』薬を自分で処方して、飲んでみましょう。

2004/7/15

保護した4匹目の子猫、エリトンは、4日の間、潜り込んだベッドの下から一度も顔を見せなかった。
このままでは衰弱してしまう、今日は無理矢理にでも引き出そうとしていた矢先、ついにエリトンがちらりと姿を見せた。
よかった、思いのほか元気そうだ。
ハードルを一つ越えたと見え、3匹の子猫に交じって部屋を駆け回るのに時間はかからなかった。
もっとも人間に対する警戒を緩めたわけではなく、
私たちは、ただ遠くから身動きせずに見守るしかないのだが…
それでも格段の前進だった。
不安が吹っ飛び、久しぶりに軽い気持ちで出社した。
さあ、子猫はあと1匹、と階下を覗く。
その瞬間、目を疑った。
1、2、3、4、5…6、残るクリーム1匹を含めて、6匹の子猫が数珠つなぎになっているのだ。
どうしよう…何とかしなくては…

焦る気持ちに追い討ちをかけるように、ビルの管理組合の理事長さんから、「猫に餌をあげるな」というお叱りの声。
外猫騒動はエンドレスに続きそうだ。

2004/7/11 私にはやはり捕獲器は使えない、何としてもキャリーで捕まえたい、でも子猫泥棒の私に対する母猫たちの警戒心はつのるばかり…
途方に暮れていた私だが、回りの状況は私に捕獲器を使わせるように回っていた。
階下のステーキ屋さんはもとより、駐車場の管理人さん、近所の住人…応援してくれる人の輪も広がっていた。
昨日の夕方、特に意を決するでもなく、捕獲器を階下に持って下りた。
囮餌は、ステーキ屋さんが渡してくれた上等のホタテ。
感情に惑わされることなく、捕獲器を設置。
わずか3分で扉がしまった。
あまりにあっけなく、雌猫を捕獲。
近所で名医と評判の獣医さんに避妊をお願いすることができた。
一晩明けて、今日の夕方手術となる。
化膿しやすい時期でもあり、木曜日まで経過を見ていただくようお願いしてある。
すべてが良い方向に向かった。
雌猫を捕獲して間もなく、ステーキ屋さんの御主人がお店に子猫2匹を閉じ込めたという。
クリーム1匹は取り逃がしたが、一番はしこそうだったグレー白を保護できた。
キャリーに入れて家に連れ帰る。
レオを保護して一週間。この一週間の差はやはり大きかった。
キャリーの隅で小さくなり、飲まず喰わず眠らず、恨めしい眼差しを送りつづける。
これからどんな経過を辿っていくのだろう。
2004/7/8 このHPをまるまる一週間更新できなかったのは、今回が初めてだと思う。
事務所の外の猫に、身も心も時間も奪われ、疲労困憊の一週間だった。
その間、多くの方から、激励のメールをいただいた。
ありがとうございました。
また、遠路はるばる応援に駆け付けてくださったIさん、Sさん、
本当にありがとうございました。
自分一人で背負ってしまったような重圧に押しつぶされそうになっていたところ、決して一人ではない、という実感が、どれほど助けになったことか。
母猫の避妊という問題は、まだ解説されていませんが、一つ深呼吸をして、心にゆとりをもってトライし続けようと思います。
よい御報告ができるよう、頑張ります。
2004/7/1 5月末は、私の会社の決算期。
6月は、一年まるまる溜め込んだ経理処理に追われに追われた。
日頃の仕事をやりながらの決算処理は月末にまでずれ込み、そうでなくても忙しい月末はパニック状態だった。
やれやれ、何とか終わった、とほっとする間もなく、29日には子猫を2匹連れ帰ることになった。
この様子では、7月は猫に始まり猫に終わりそうだ。
2004/6/25 先週だったろうか、上階の人がやって来た。
子猫の泣き声が聞こえなかったか、という。
慌てて周囲を探すが姿はなく、階下のステーキ屋さんも気付かなかったということで、きっと空耳だったのだろうと片付けていた。
もっとも、その一言で、外の四匹の避妊、去勢を急がなくてはと思ったのだが。
ところが、ところが、やはり赤ちゃんは生まれていた。
いつものビルとビルの隙間で5匹の赤ちゃん猫が遊んでいるのを、ぱぱちゃんが発見。
まだまだほんの子供の猫が赤ちゃんを生んでしまったのだ。
遅かった。
赤ちゃん猫独特の動きは愛おしく、思わず見入ってしまうが、今回ばかりはそんな悠長なことは言っていられない。
幸い赤ちゃんのいるところは安全で、ビルの壁面には雨露をしのぐお誂え向きな穴まで開いている。
母猫のご飯さえ、十分ならしばらくは時間が稼げるだろう。
問題は、母猫も含め、4匹兄妹の方だ。
手荒なまねはしたくない、などと言っていられなくなった。
家でのことならまだしも、2階の事務所にいる私が、どこまでできるか分からないが、まずは、キャリーを用意することから始めよう。
2004/6/22 階下のステーキ屋さんがご飯の面倒をみているお外のニゃん子4匹兄妹は順調に育っている。
そろそろ避妊、去勢をしなくてはならないが、ステーキ屋さん御夫妻でさえ、触ることができないという。
手荒なことは極力さけたいから、何とか懐いてもらおうと、最近は、私のご飯当番(ステーキ屋さんのお休みの日)の時だけではなく、足繁く階下に通っている。
ほんの少し前までは、私の姿を見ると蜘蛛の子を散らしたように逃げていた猫たちも、逃げる距離がだんだんと縮まり、近頃では「ハーッ」と威嚇しながらも近寄ってくるようになった。
『私=ご飯』の図式が出来上がり、じっと待っていられずに思わず歩み寄ってしまうのに、口だけは「ハーッ、ハーッ」言っている、それが可愛くて仕方がない。
食べる様子をしゃがんで見ていると、時折顔を上げて、上目遣いにこちらを伺う。
自分ではどこまでもワイルドな猫を演出しているつもりなのだろう。
それが、またまた可愛い。
と、そんな呑気なことばかり言っていられない。
一日も早く『ワイルド』の看板を下ろしてもらわなくては。
2004/6/18 ご近所の飼い猫『ジロちゃん』ほど、体のサイズが変わる猫を見たことがない。
長めの毛に大きな顔をしたジロちゃんが、昨年の今頃、見る影もないほど痩せ細っていた。
毛もいつなくなったのか、と訝るほどまばらになり、このまま死んでしまうのではないかと、心配でならなかった。
弱いくせにケンカの絶えないジロちゃんは、体のいたるところに生傷を背負っているが、その傷がなかなか癒えないのを見て、猫エイズを持っているのではないかと思っていた。
だから、昨年、以前の半分ほどになった体を見て、いよいよ発症と思い込んだのだ。
食欲が落ちているわけではない。それなのに痩せる。
ところが、秋口から毛はふさふさと体を覆うようになり、体も二倍になって、元の姿に戻った。
それが、またこの一月で昨年の今時分と同じ状態になった。
痩せて毛がまばらになると、大きな顔まで縮んて見えて、哀れっぽい様子になる。
そのジロちゃんが、今朝は、さらにしょぼくれていた。
またケンカをして、またまた手負いになったのだ。
引っ掻き傷だらけの顔に覗く目はショボショボとしていて、自ら『なさけねえ〜』と言っているようだ。
それなのに、しっかりご飯をおかわりして食べた。
体のサイズや見てくれは変われども、変わらぬ食欲に安心した。
2004/6/14 チビタは一体いくつなのか不明だが、最近、催促されるままにご飯を食べさせてあげていたら、少し体が大きくなった。
あまりの巨大さにだれからもケンカを仕掛けられないぬーちゃんを見ていて、自分も大きくなろうと決意したのだろうか。
もともと、ニセドやトンちゃんにパンチを喰らっても、逃げるどころか、立ち止まることさえしないチビタだったが、このところ、ますます堂々としてきたように思う。
それでも、傍に寄るチビタを気持ちよく迎えてくれるのはらーちゃんだけだ。
昨晩、おばあちゃんの椅子を占領したらーちゃんの腕の中に、チビタがすべり込んで行った。
らーちゃんは、チビタを両腕に抱え、耳や頭をやさしく舐める。
繰り返し、繰り返し、丁寧に舐め続ける。
「らーちゃん、ありがとう。チビタ、嬉しいねえ」
そう言いながら、私はチビタの体に耳を当てた。
聞こえる、小さな小さなゴロゴロが聞こえる。
耳を当ててよーく聴かなければ、決して聞こえてこないかすかなゴロゴロに、私の胸は、これでもかというほど大きくゴロゴロといった。
2004/6/11 年に一度のワクチン接種も、9匹連れていくとなると大変だ。
6匹兄弟がまだ小さかった頃は、全員まとめて大型犬用のキャリーに入れて、一度に連れて行けたのだが、9キロのぬーちゃんを筆頭に、7キロ、8キロと大きくなり過ぎた今となっては、そうもいかない。
週一日のお休みのたびに、2匹ずつ連れていくのが、せいぜいだ。
この間のお休みには、第二陣として、ぬーちゃんと宮沢さんを連れていった。
病院は待ち合い室が満員になるほどの混むみようだった。
待っている間、ぬーちゃんは、ときどきキャリーからのっそり出てきては、順番を待つ人々の目を丸くさせた。
毎日見ている私の目にも巨大に見えるのだから、初めて見る人が唖然として言葉を失うのも無理もない。
ぬーちゃんは、一渡り回りを見回すと、自分でキャリーに戻る。
ようやく順番が回ってきて、先生の触診が始まった。
便秘気味だと聞いて、先生の手は腸を探る。
そして、一言、
「手が届かない…」
厚い厚い皮下脂肪に阻まれて、腸の所在さえわからないほど。
先生は、苦笑しながら触診を続けてくださった。
体重は、昨年と全く変わらず8.9キロ。
どうやら、ぬーちゃんの成長は止まったようだ。
やれやれ…
2004/6/8 トンちゃんは食べるものに頓着しない。
おやつにカニカマをもらう時にも、おばあちゃを中心にあっと言う間にできあがる円の中にトンちゃんの姿はない。
我関せず、といった様子で、一人ポツンと離れたところにいる。
わざわざカニカマをトンちゃんの目の前に置いてあげても、知らんぷり。
トンちゃんはカニカマは嫌いなんだ、という結論になった。
ところが、悪い歯を抜いて帰宅してからというもの、嫌いだったはずのカニカマをぱくぱく食べる。
そう!嫌いだったのではなく、痛くて食べられなかったのだ。
何と可哀想なことをしてしまったのだろう。
どうしてもっと早く気が付かなかったか、と悔やまれる。

早速、みんなの歯磨きを始めた。
ステップ1の指でこすってみたが、案外やらせてくれるものだ。
週一日の休みには、全員の歯磨きをすることにしよう。
2004/6/3 トンちゃんが一泊入院して、歯の治療をしていただくことになった。
薬を飲むたびに泡を吹き、何となく線の細いトンちゃんは、いつもneco家族の心配の種だった。
兄弟そろって脱走しても、トンちゃんだけは車に轢かれるような気がして、戻ってくるまで気が気ではない。
何が起こってもおかしくないのがトンちゃんなのだ。
今回の入院も、全幅の信頼を寄せているラブリーの先生に託すというのに、手術承諾書に署名をする時には、覚悟を決めていた。
ケージに入れられて、こちらを見て泣き続けるトンちゃんの顔と声を、しっかり心に刻み付けて病院を後にした。
便りのないのは良い便り。
その日、電話はなく、翌朝、病院に連絡すると、極めて順調とのこと。
ほっと胸をなで下ろし、昼には、ルンルン気分で迎えにいった。
上下一本ずつ抜歯しなければならなかったが、残る歯はきれいに研摩され、歯磨きのCMにも出られそうだ。
たった一晩だったが、兄弟と離れ、家族と離れ、よほど寂しかったのだろう。
そして、心細い泣き声を上げ続けたのだろう。
家に戻ったトンちゃんは、だっこが大嫌いだというのに、おばあちゃんの膝に抱かれ、眠るまで甘え泣きをしていた。
その声は、日頃のダミ声がさらにつぶれた情けない声だった。
2004/5/29 このところ、トンちゃんがいつも舌をちょこんと出している。
可愛いと言えば可愛いのだが、下顎も涎で濡れていて、ちょっと気になる。
歯が悪いのではないかと思うのだ。
先日、ワクチン接種のときに、先生に見ていただいた。
案の定、歯石がたまり、炎症を起こしているという。
来週、麻酔下で、処置していただくことになった。
まだ4歳になったばかりだというのに、どうしたことだろう。
そう言えば、ロッキーママも全部抜歯してしまったし、らーちゃんも何本か抜いている。
家系的にも歯が弱いのかもしれない。
慌てて他の5匹の兄弟の歯を覗く。
幸い、みんな真っ白なきれいな歯をしていた。
同時に生まれた兄弟でも、歯の状態はずいぶん違うと先生もおっしゃっていたが、なるほど、その通りだった。
もう少し、歯の健康に気を使っていればと、今さらながら悔やまれる。
2004/5/23 『お友だち』こと近所の『ジロ』ちゃんは、この1ヶ月全く実家に帰っていないらしい。
実家のお父さんが心配して、neco家に安否を尋ねにきた。
実家にいる二匹の犬の内の一匹と相性が悪いとのこと。
そのジロちゃんは、毎日、欠かさずneco家にやって来ては、二食の食事とおやつを食べる。
一昨日の朝、わたしがご飯を持って外に出ると、外にある特別室の一つからジロちゃんの声。
「ここにいるよ」と、所在を知らせているのだ。
「はい、はい、ただ今お持ちします」と、わたしはご飯皿をその一室に入れた。
見ると、ジロちゃんは雨にぬれて寒そうにうずくまっている。
大急ぎでタオルを持ってきて、ご飯を食べ始めたジロちゃんの体を拭いた。
それが気に喰わなかったのだろう。
ジロちゃんは、わたしの右手に思いっきり噛み付いた。
ぐさっと深々と食い込んだ二本の歯。
手を抜くこともできず、そのままジロちゃんが放すまでじっとしていた。
二年前、キャラリンにも噛まれたっけ…
水で十分洗い流し、消毒した右腕はどんどん腫れ上がる。
痛くて箸さえ持てなくなった。
夜、帰宅してから、ふと思い出した。
MEOWさんから、猫がケガしたらイソジンで消毒するといいと聞いていたのだ。
わたしもnecoと名乗るのだから、やはりイソジンだろう。
案の定、イソジンの効果はテキメンだった。
腫れこそ引かないものの、痛みが嘘のように薄らいでいく。
また、自分と猫たちとの思い掛けない共通点を見つけて、苦笑した。
2004/5/21 このところ、家の中の猫たちの大脱走が続いている。
朝の5時、枕元にやってきたぬーちゃんが、エリちゃんと並んで、真剣な眼差しで窓の外を覗いている。
ただならぬ気配に、起き出して二匹の視線を追うと、らーちゃんが悠然と塀の上を歩いている。
慌てて階下に下り、居間の窓を調べるが、しっかりロックがかかっている。
もしや、とお風呂場に行ってみても、網戸がロックされ、ちゃんと閉められたままだ。
早朝の心地よい風が窓から吹き込む。
と、その風にのって、網戸の網がはらりと揺れた。
うそ!! 網戸の網が破られていたのだ。
さしずめ、トンちゃんが洗面所、お風呂場と次々に扉を開け、ニセドあたりが網戸を破ったのだろう。
脱走したのは5匹。
うち、ゴンちゃんは早々に家に入ってきたが、残る4匹はしぶとい。
それどころか、外に出て異常興奮した宮沢さんとらーちゃん喧嘩を始めた。
まだ、目の覚めない町に、「ウルルル、キヤオー」「ギヤアアアー」が響き渡る。
さらに悪いことに、戦場はお隣のテラスの下。
ガーデニングの道具が置いてあるのか、金属音が耳をつんざく。
ああ…なす術なくため息をつくばかり。
どのように喧嘩の収拾をつけたのか、二匹は別々に家に戻った。
宮沢さんは返り血を浴び、らーちゃんは耳や肩、脇腹に傷をつけて。
よほど悔しかったのか、らーちゃんは家に戻っても背中の毛は立ったまま、尻尾はたぬき状。
傍を通ったゴンちゃんに八つ当たりの攻撃をしかけ、家中ひっくり返るような大騒ぎ。
ニセドとトンちゃんは、どこにいたのか、のんびり外を満喫して、さっぱりとした顔で戻ってきた。
2004/5/16 買い物から戻ったおばあちゃんは、
家の前で、ロッキーママとエリちゃんが並んで座っているのを見て、びっくり仰天。
エリちゃんは、おばあちゃんがロックし忘れた2階の窓を開けて、ベランダ越しに脱走したのだ。
その他大勢の男どもは、ベランダから庭の物置きの屋根に飛び移る勇気がないと見え、このルートはエリちゃんの独占となっている。
エリちゃんは、他の猫たちと群れることをしないが、
ロッキーママだけは別のようで、以前からたまに会うと自分から寄っていった。
実の母親であることを忘れていないのかもしれない。
ところが、家の中に入れられたロッキーママは、それだけで機嫌が悪く、
寄ってくるエリちゃんに、「ハーッ」と威嚇するばかりだった。
そのロッキーママが、エリちゃんと玄関の前に並んで座っている。
ときおり、愛おしそうに、エリちゃんの顔を眺めている。
エリちゃんが嫌いなわけではなかったのだ。
こうして、母子が青空の下で寄り添うのは4年ぶりだ。
この二匹に、ノラだったころの記憶は残っているのだろうか。
2004/5/13 2週間ぶりの休日。
夜な夜な腕を噛んでは、悲し気に鳴くエリちゃんをお風呂に入れることにした。
Cat Poo という固形のナチュラル・ソープを使うのも楽しみ。
エリちゃんは、カラーを外しただけで不安になったのか、目があちこち泳いでいる。
たらいに溜めたお湯に足が触れるなり、大騒ぎ、大暴れ。
まるで私が虐待しているかのような悲鳴が続く。
お風呂嫌いの猫にとって、お風呂は虐待に等しいのかもしれない。
胸に抱き、私の肌と触れていれば多少安心するらしく、何とか体全体を洗うことができた。
それでも私の手足に付けられた引っ掻き傷は数えきれない。
お風呂場の戸を開けると、何とその他大勢が大集合している。
エリちゃんの尋常ではない叫び声に、昼寝から飛び起き、ここで様子を伺っていたらしい。
おばあちゃんの手に渡されたエリちゃんは、今度は、ドライヤーの音に2メートルも垂直飛びして、2階に逃げ込んだ。
それから数時間、あたかも体中が汚くなったとばかりに、せっせと身繕いをし続けた。
すっかり乾いたエリちゃんの体から、エッセンシャルオイルの香りが漂う。
2004/5/9

このところ、neco家のおばあちゃんは、猫たちのブラッシングに余念がない。
どの子もおばあちゃんが大好きで、膝の取り合いをしているから、おばあちゃんがブラシを持って追い掛ける必要はない。
膝に乗ってくる子を次々とブラッシングすれば済む。
ところが、誰かのブラッシングを始めると、
「ちょいと、おばあちゃん、ぼくは?」
と、おばあちゃんの腕や背中をノックするように叩く子たちが続出する。
整理券を発行しなければならない状態だ。

若い猫は毛の抜ける量が少ない。
ぬーちゃんのような表面積の大きな子でも、それほど多くはない。
だが、らーちゃんは、ブラシを掛けても掛けても、抜ける抜ける。
その量の夥しいこと。
らーちゃんは、一体いくつなのだろう。
6匹兄弟の二回り前のおにいちゃんだとは思うのだが、
ロキーママの弟なのかもしれない。
血縁であることに変わりはないが、大きな違いだ。

2004/5/6

GWも終ってしまいましたね。
皆さんは、どのようにお過ごしでしたか?

大勢の猫たちと暮らしていると、旅行もままなりませんが、
日頃、日中留守にしている分、お休みの時は猫のそばにいたいという気持ちがつのり、
どこかに出掛けようとも思わないのが不思議です。
もっともこのGWは、仕事だったのですが…

私には、仕事の合間にちょっと猫探訪に出かけるくらいが丁度いいのかもしれません。

2004/5/1

昨日出会った方のお母さんは、内猫16匹の他に、通い猫の面倒も見ているという。
そして、そのお宅には、最期の時を迎える猫もやってくるという。
死に逝く姿を見せない猫のこと、neco家から姿を消した猫たちも、どこか人目も猫目もないところで静かにその時を迎えるのだろうと思っていた。
だが、大勢の内猫がいて、たくさんの通い猫がやってくるその家に、最期の時を求めるというのは、どういうことなのだろう。
そこが一番心地の良いところ、安心できるところなのだろうか。

「保護の必要な猫と出会えばいつでも迎えるつもりでいるのに、そんな猫に出会わない。私にはまだ足らないものがあるから、神様が出会わせないのかしら…」
そんな話しをしていた人がいる。

だったら、私もまた、足りないものがあるから、猫たちに、最期の場所として選んでもらえないのかもしれない。

2004/4/27 キャラリンがいなくなって3週間が経った。
4月5日に出て行った日から、待つ私の気持ちに変わりはない。
以前幾度となく出ていった時は、日を追うごとに焦る気持ちがつのったのだが…。
私の第六感は、もう戻ることはない、とずっと言っている。
諦める、というのではない。
戻らないことを知っている、という感覚なのだ。
戻らないことを知っていて、毎日ご飯を置き続ける。
そのご飯を、2年前、キャラリンを連れてきたクロちゃんがやって来ては食べていく。
クロちゃんは、1年ほどとんと姿を見せなかったが、キャラリンと入れ替わるように、毎日やって来る。
クロちゃんの餌場にキャラリンがいるのかもしれない、などと思ってもいないことを呟いてみる。
キャラリンは、たぶんもう戻らないだろう。
でも、キャラリンの面影を振り返る気持ちにもなれない。
2004/4/23 キャラリンは戻らない。
いつ戻ってもいいように、人知れず戻ってもいいように、毎日、ご飯と水を替える。
朝起きて一番にキャラリンの小屋を覗き、家に帰るとすぐにキャラリンの小屋を覗き、ため息をつく毎日。
部屋の中の猫たちも、窓越しに、ウッドデッキの格子ごしに、キャラリンの姿を探している。
主のいない小屋は、寂しい。
2004/4/19 キャラリンが帰らない。
あの痩せた体で姿を消して2週間になる。
いつものこと、と言えばいつものこと。
でも、もう帰らないかもしれないとも思う。
先日、人にこのことをちらと話したら、ご飯茶わんを伏せたら、と言われた。
ご飯茶わんの威力は、これまでに何度も実証済みだ。
でも、なぜか茶わんを伏せようという気持ちになれない。
素直に茶わんを伏せて帰りを待てるときと、
茶わんを伏せてはいけないと思うときがあるのは、なぜだろう。
茶わんを伏せない自分は非情なのだろうか。
『お帰り』と出迎える準備と、『やっぱり帰らなかった…』と納得する腹づもりの狭間で、
キャラリンのことを深く考えられずにいる。
2004/4/15 冬の間、自然の冷蔵庫と化していたウッドデッキも
ようやく本来の目的にかなった使われ方をする時期になった。
ウッドデッキの陽だまりから窓越しにこちらを見る猫たちの視線は「早くベッドを出してよ。ぼくたちここで寝たいんだ」と訴えていた。
朝食を中断して、取り敢えず3つあるベッドのうちの2つを出す。
ニセドとトンちゃんが、待ってましたとばかりに飛び乗って身繕いを始めた。
一足遅れたぬーちゃんが、羨ましそうにニセドを見ている。
「待っててね。ご飯が終ったらもう一つ出してあげるから」
いつもなら、ちゃんと順番を待てるのに、どうしたことか、ぬーちゃんがニセドに飛びかかった。
よっぽど羨ましかったのだろう。
ぬーちゃんとニセドの戦いは、重量戦だ。笑って見ているわけにはいかない。
あわててもう一つ出して、何とか丸く収まった。
今日はいいとしても、いずれベッドは8つ用意しなければならないのだろうか。
2004/4/11 春はやはり目覚めの季節だ。
春の陽に包まれ、冬の間中コートの中で縮こまっていた体が伸びをする。
休みの日も、どこへ行こうかと、胸が弾む。
野球が開幕する。ゴルフツアーが始まる。
スポーツのテレビ観戦が大好きなNECO家では、
夜中2時に始まるヤンキースの試合を見て、朝はマスターズゴルフと寝不足の毎日だ。
日本の春は短い。
存分に楽しみたい。
2004/4/8 ファイトが姿を消して一年が経とうとしている。
寒い冬を越して、春うららの陽気を心から楽しむ、そんな時、ファイトはいなくなった。
心配しなくていいよ、こんなに気持ちのいい、やさしいお日さまに、ぼくは包まれているのだから…
そんなファイトの気遣いが聞こえてくるようだった。
4月5日、キャラリンがいなくなった。
このところ、水を飲むばかりで、あんなに気に入っていたミルクも、3つ、4つと並べられたご飯も、ほとんど食べられなかった。
骨張った腰に、ファイトを思い出したほどだ。
昨年の11月からずっとneco家にいたとは云え、それ以前は、2〜3週間の周期でいなくなったり、戻ったりを繰り返して居たのだから、また、戻ってくるだろうと、半分は思いながら、もう半分で、もう帰らないかもしれないと思った。
昨日、物置きの屋根が大きな音を立てた。
外を見やると、キャラリンがもの凄い勢いで、塀の上を駆けていく後ろ姿が目に入った。
無事を知らせたかったのだろうか。
今日も、まだキャラリンは戻らない。
2004/4/4 neco家の猫たちは、ほとんどが肥満。
肥満はさまざまな病気を引き起こす危険を孕んでいることは重々承知していながら、うまく食事のコントロールができずにいる。
中でも、去勢後一挙に肥満街道を突き進んだぬーちゃんと、もともと大柄だったニセドが筆頭株だ。
この二匹が、今朝、二階で一悶着を起こした。
ニセドが眠っていた椅子をめぐっての争いだ。
その椅子は、だれのもの、と決まってはいないはずだったが、ぬーちゃんは、そこで気持ちよさそうに眠るニセドが面白くなかったらしい。
ぬーちゃんは、自分の席と思い込んでいたのかもしれない。
椅子の下で、しばらくニセドを睨んでいたぬーちゃんが、まずは猫パンチを一発。
まさに寝首をかかれたニセドは、ガバッと跳ね起き、反撃する。
「ウウーッ、ギャオー」「パチン、パチン」「ギャオー、ウウーッ」
この喧嘩、案外あっけなく終った。
猫の喧嘩は運動能力より体格なのだろうか。
ニセドが明け渡した椅子に、ぬーちゃんが飛び乗り、だめ押しの一睨みを効かせていた。
ニセドは、一階に逃げていくものと思ったが、
「あっ、そうだ、ついでにご飯食べていこう」
とばかりに、エリちゃんのご飯皿に頭を突っ込んで、ちゃっかりご飯を食べ始める。
犬も喰わないのは、夫婦喧嘩ばかりではなさそうだ。
2004/4/2

通る声で、一オクターブ跳ね上げるような鳴き方をするチビタ。
ところが突然、声変わりでもしたように、だみ声になり、ついに声が出なくなった。
風邪気味のらーちゃんが、ときどき咳をしていたが、いつもそばにくっついているチビタが、その風邪をそっくりもらったらしい。
neco家に来て初めての病気だ。
何の抵抗もせずキャリーに入り、病院へ行く途中も静かだった。
病院でキャリーから出そうとして、驚いた。
まるで石のように固くなり、キャリーの奥に貼り付いている。
石になるのは、らーちゃんの得意技。
いつも一緒にいると、こんなことまで似るのかと、思わず苦笑。
二日続けて病院に通い、注射と薬で、多少声が出るようになった。
尻上がりの大きな声も間もなく聞かれるだろう。

陽気が良くなってきて、キャラリンが外出することが多くなった。
朝も食事を終えると日光浴をしている。
一昨日、私が出かけようと外に出ると、木戸の上にキャラリンの姿があった。
相変わらずネズミ色の毛が大きな束になっている。
最近体調はあまり思わしくないのだろう。
目の周りが赤くなり、精気がない。
腰のあたりを後ろから見て驚いた。骨と皮なのだ。
昨年の11月から、かろうじて絶食モードに入ることなく過ごしてきたのに…。
確かにこの数日は、水を飲む量が増え、食も細くなっているが、ここまで痩せているとは。
しばらく、帰ってこないかもしれないと思った。
だが、昨晩も今朝もふいに現れた。
ネコ缶をわずかに食べ、水を飲んで、また出て行った。

2004/3/27

一週間ぶりの晴天。
冬に逆戻りしたような冷たい雨に打たれながらも、桜のつぼみは膨らみ、今日の晴れ渡った空を待って一斉に花開いた。
日本は、それまでにどんなに温かかろうと、春十番が吹こうと、桜が咲くまでは春にならない。
そしてどんなに花冷えがしても、雪が舞っても、桜が咲けば冬ではない。

小屋の脇に作ってある自分専用のトイレに行くわずかな時間以外はずっと小屋に隠っていたキャラリンが、朝食を済ませるとすぐに物置きの屋根に乗り、日光浴をしている。
キャラリンにも春が来た。

2004/3/23 桜が咲きかけて、待ったがかかった。
遅ればせながらの北風、雨、みぞれ…
年ごとに開花の時期こそ違えど、
桜の花を待ち受けるのは、毎年、これでもか、というような逆境だ。
つぼみは、冷たい雨風にじっと耐え、
わずかばかりの晴れ間に、いっせいに花開き、
待ち受ける強風に散らされる。
桜は強く、はかない。
2004/3/20 私の靴下の入っている引き出しに、大分前に買ったウサギの毛のおもちゃが隠してある。
neco家の猫は、ウサギの毛のオモチャには異常なまでに熱狂してしまうから、ときどき、もったいぶって出してあげては、さっさとしまうことにしている。
ところが、昨日の朝、靴下を出そうとしたときに、ウサギのオマチャがハラリと落ちてしまった。
落ちた所は、たまたま居合わせた宮沢さん、エリちゃん、ぬーちゃんの丁度真ん中。
三匹とも『うほっ、ウサギだ、ウサギ』と心が踊ったに違いない。
ところが、この三匹、そんな気配をひた隠して、ウサギと自分以外の二匹の顔を代わる代わるに見るばかり。
胸は高鳴り、肉球にはじっとり汗をかいているに違いないのに、微動だにしない。
彼らは良く知っているのだ。
三匹ともが同じ気持ちでいることを。
だから、我れ先に手が出せない。
遠慮の固まりを前にして、時が止まること2、3分。
静かに、ゆっくりと、遠慮がちに、エリちゃんが手を伸ばした。
だれも邪魔をしない。
エリちゃんは独り遊びが上手で、いつもオモチャを自分で放り投げては追いかけて遊ぶ。
でもこの日ばかりは、ウサギをベッドの上に持っていき、ほんの数回戯れただけだった。
ベッドに残されたウサギを、宮沢さんが一なめ、二なめ。くわえてベッドから下りると、ぬーちゃんの前に落とした。
2004/3/14 お父さん子のエリちゃんは、2階の主。
毎晩お父さんに『もう寝ましょ』と催促して一緒に2階へ上がる。
ところが最近、そのエリちゃんを追い越して2階へ駆け上がる不届き者がいる。
ニセドだ。
お父さんが遅い夕食を終え立ち上がると、嬉々として後を追うエリちゃんの頭を乗り越えて
ニセドが先に階段を上がる。
エリちゃんは、もう我慢ならず、上りかけた階段を下りてしまう。
お父さんは、エリちゃんをだっこして2階へ連れていくはめに。
2階へ行ってもエリちゃんの御機嫌はなおらないどころか、怒りは増幅して「ハーッ」と威嚇しながらニセドを追い回す。
ニセドはたまらず1階に逃げてくるが、そんな自分に我慢ならないのか、今度は1階で出会う猫全部を「ハーッ」と追いかけ回す有り様。
まさしく八つ当たりだ。
とんだとばっちりを受けるその他大勢だが、あまり気にする素振りもない。
悲しいかな、長男ニセド。
それでもめげることなく、毎晩エリちゃんを追い越して2階へ行く。
2004/3/8 最近はさまざまな猫のおもちゃが売られているが、neco家の猫たちは『猫じゃらし』が一番好きと見える。
過日ホームセンターに出掛けたついでに、新しい猫じゃらしを買おうと売り場に寄った。
猫じゃらしにも色々あるが、ウサギの毛のポンポンのついた物の方が安いことを発見。
でも、どうして???と訝りながら買って帰った。
その理由はすぐに判明した。
まず、猫たちの反応が他の猫らじゃらしより格段良い。
良いと言うより、凄すぎる。
いつもは先を競うことのない「ぬーちゃん」が、一番先に私の手からもぎ取っていった。
そしてまるで獲物を取ったように「うーーーーー」と唸りとおす。
他の子は、猫じゃらしは欲しいけれど、ぬーちゃんの唸り声と凄みに近寄ることもできず、一定距離を置いてぐるり取り巻き、正座している。
ぬーちゃんが飽きるまで待っているのだ。
だが、ぬーちゃんは、なかなか飽きない。
一時間ほどが経ち、ようやくぬーちゃんの手を離れた猫じゃらしを、その他大勢が、遊んでは次ぎに回して、最後のゴンちゃんの手に渡ったときには、ウサギの毛は無惨な状態と相成っていた。
ゴンちゃんは、ひとしきり遊んだあと、アアーッ!!
水の中につっこんでしまった。
ゴンちゃんはネズミのおもちゃも水の中に入れてしまう。
ゴンちゃんは、水は格好のおもちゃの隠し場所と思っているらしい。
哀れ、ウサギの毛の猫じゃらしは、たった一日でただの棒となり果てた。
2004/3/4 3月に入った途端、寒い日が続いている。
2月が温かかっただけに、どんより曇った寒空と北風が堪える。
それでも今年の櫻の開花は3月20日頃とか。
ロッキーのお花見以来、neco家では、猫を連れてのお花見が恒例となっている。
ロッキーのあの嬉しそうな姿が忘れられずに毎年続けているが、どうやらロッキーが特別だったようで、ロッキー以外にお花見を喜んだ猫はまだいない。
日頃家の中に閉じ込められている猫たちへのささやかなプレゼントのつもりなのだが…。
今年は、ニセドの番だ。
きっと怯えるだけだろうとは思うものの、喜ぶ姿をかすかに期待している。
さてさて、どうなることやら。
2004/3/1

昨日、衝撃的な光景を目にした。
高円寺南口駅前の噴水の脇には、いつも一群の鳩がいるのだが、その鳩が、信号待ちをしている女性目掛けて、一斉に飛んできたのだ。
5、60羽はいたはずの鳩が一匹残らず飛んで来て、女性を囲み、慌ただしく羽をばたつかせて、空中で止まっている。
ヒチコックの『鳥』のように攻撃をする素振りはないが、すっぽりと鳩に覆われてしまった女性がいささか心配になった。
一体何ごと?
信号が青になる。
女性を真ん中に置いた鳩の柱が、横断歩道を渡っていく。
渡り切ったその瞬間、白いものが柱から飛び散った。
と、鳩の柱はくずれ、鳩達は白いものに群がった。
パンだった。

信号待ちをしている時、パンを入れた袋は女性のバッグの中だった。
つまり、鳩達はしっかり女性の顔を覚えているのだ。
地面を歩く鳩の視線は低いだろうに…
う〜ん、と唸りながら、振り返り振り返りその場を離れた。

2004/2/27 岩合さんの写真展の開かれている会場に向かうバスを待っているときのこと。
地元のおばさん二人が『郷土の森』で猫の写真展をやっているらしい、と話を始めた。
私はベンチに腰掛け、本を読みながらバスを待っていたが、片方のおばさんの声があまりに大きく、いやでも会話が耳に入ってくる。
どうやらその大声の持ち主は、大の猫嫌いらしい。
生きている猫はもとより、テレビのCMに出て来る猫も、写真の猫もすべてダメだそうな。
嫌い、きらい、キライ、にだんだんと熱がこもり、大きい声がまた一段と大きくなる。
気持ち悪い、気味が悪い、イヤ、ダメ……
猫の好き嫌いは自由だが、『嫌い』をそんなに声高に言う必要があるのかしらん???
このバスを待つ列には、猫の写真展をはるばる見に来ている人も多かろうに…
あっ、そうか!!
猫好きに『嫌い』をアピールしたかったのか!!
胸の中がざわついて、居心地の悪いベンチだった。
2004/2/22

心配事の連鎖は止まらない。
今度は『ぬーちゃん』の元気がない。
食欲がない。
焼海苔の缶を覚えていて、見つかろうものなら、ぴったり傍を離れないぬーちゃんが、この日ばかりは、パリパリと音を立てても知らん顔。
海苔は猫にはあまり感心しない食べ物だから、日頃はこそこそと隠れて食べているというのに…
動かない。
もともと10キロ級の超肥満だから、元気なときも活発に動くわけではないが、necoと寝るのを何よりの楽しみにしていて、いつも嬉々として一緒に2階へ掛け上がる。
ところが、いくら『おやすみなさい』と声を掛けても、身動き一つしない。
一体どうしたことだろう。

今日は2月22日。
全国的に『ねこの日』。
全国の猫たちが、健やかに安心して暮らせる日がやってくることを願うばかり。

2004/2/19 気掛かりは次々やってくるものだ。
今度の心配の種は『お友だち』。
あの大食漢が、何をあげても食べ残す。
まったく手付かずのままの時さえある。
みるみる痩せてきた。
毛艶も良くない。
ご近所の飼い猫だから、飼い主さんに様子を伝えるしかない。

『お友だち』はneco家に出入りするようになって5年目になる。
一体いくつなのだろう。
この数日、あまり姿を見せなかったが、夕べは何とロッキーママの部屋を占領して眠っていた。
2004/2/16

ロッキーママの鼻が白い。
ほんのりピンク色をしているはずの耳も真っ白だ。
ずいぶん昔、マロンが口の中の動脈を切ってしまい出血だ止まらなくなったとき、耳と鼻が真っ白になった。
そして、立つこともできなくなった。
あの時はファイトの血を輸血して、一命をとりとめたのだ。
輸血が始めると、じきに耳と鼻に血の気が戻った。
ロッキーママの白い鼻と耳はマロンを思い出させる。
どこからも出血している様子はないが、どうにも気になる。
体の中で出血しているのかもしれない。
太ったと思っていたお腹も、パンパンに張っているように思える。
覆水でも溜っているのだろうか。

そんな心配から、食欲旺盛で元気に飛び回るロッキーママを病院につれて行った。
腹部エコーに血液検査、触診…
「結構な歳なのに、どこも悪いところはありません」
先生に「健康」の御墨付きをいただき、帰宅した。
思い掛けず身体検査ができて良かった。

2004/2/12 『お友だち』はここのところneco家で一日のほとんどを過ごしている。
食事も朝晩、おやつとneco家で食す。
いつものように、おばあちゃんがロッキーママと『お友だち』を従えてゴミ出しに行くと、『お友だち』の実家のお父さんと行き会った。
お父さん曰く、「このところ、ジロー(お友だちの本名)が家に寄り付かなくて」。
いささか寂しそうだったという。
それでも、お父さんが「ジロー」と声を掛けると、あの大きな顔を声の主に向け、嬉しそうに傍に駆け寄る。
さすが、実家のお父さんだけのことはある。
そのまま実家に帰るのかと思いきや、ゴミ出しを終えたおばあちゃんの後を、ロッキーママと一緒に追いかけ、neco家に戻ってきた。
2004/2/8 私の唯一のリラックスタイムが危機にさらされている。
たった一人、のんびりと好きなだけ隠ることのできるお風呂に、招かれざる客がやってくるのだ。
宮沢さんだ。
何とか見つからないように、本を片手にそうっとお風呂に向かうのだが、なぜか見破られる。
脱衣所の扉に手を掛ける時には、もうすでに私の前に宮沢さんがいる。
服を脱ぐ間は、お風呂のドアの前に正座し、ドアがあくとすぐに、蓋の上に駆け上がって私が来るのを待つ。
宮沢さんの乗っている蓋を残して、残り半分の蓋を取り、何とも窮屈な入浴となる。
湯舟につかっていると、喉を最大限にゴロゴロ言わせながら、
私の肩に、頭に、自分の顔を擦りつけ、しまいには、私の顔を隅々まで、あのザラザラとした舌で舐めてくれる。
お蔭で顔はヒリヒリ赤くなる始末。
お湯が少々かかっても気にも止めない宮沢さんは、いつまでも居座る。
仕方なく本を広げると、今度は本と私の顔の間に自分の顔を突っ込む。
やれやれ、と今度は歯を磨き始める。
と、不思議と宮沢さんは、出ます〜と言って泣き出した。
どうやら、歯磨きペーストのあのスーッとした臭いが苦手らしい。
明日からは、5分甘えさせてあげたら、歯を磨くことにしよう。
2004/2/5

モノを作るというのは楽しい。
昨日、本当に久方ぶりにミシンを引っ張り出した。
子供が小学校に入学したころは、上履き入れやら連絡帳入れを作ったが、それ以来のことだから、15年以上もミシンに触っていなかったことになる。
ひとたびミシンを取り出しさえすれば、平らな生地が見る間に形になっていくというのに、ミシンを取り出すまでが大変なのだ。

母は、私以上の大喜びでミシンをかけ続けていた。
料理もモノ作りに違いないが、毎日やっていると、『作らなくちゃ』という義務感が楽しさを覆ってしまうのだろう。
楽しいことを楽しいまんま続ける秘訣は何だろうか。

2004/1/31 素晴らしい猫本に出会った時の喜びは、何にも代えがたい。
最近わたしは、『ルドルフとイッパイアッテナ』シリーズに夢中だ。
ところがその本も、心にゆとりがなければ文字の羅列でしかないことを、昨日、思い知った。
日記にも書いたが、体調の思わしくない母を家に置いて出勤した。
案ずる気持ちと、母を置いてこざるを得なかった後ろめたさに、わたしの気持ちは乱れに乱れた。
そんな中で、あと数ページで読み切る『ルドルフ』シリーズの第3巻を取り出したが、これがちっとも面白くない。
面白いどころか、話の筋を追うのもやっと。
おおよその場合、大好きな本を広げれば、その世界にのめり込めるのだが、心配だけは、それを許さないらしい。
楽しく本が読めるということは、二重の意味で幸せなことなのだ。
2004/1/26 いつ絶食モードに入るかわからないキャラリンには、どうしても甘くなってしまう。
ねだられるままに、あれこれ差出し、いつもお皿が4枚くらい並んでいる。
キャラリンのご飯は特別おいしいらしいという噂が広がっているのか、このところキャラリンの小屋の前に来客が多くなった。
クロちゃん、お友だち、ロッキーママと順にやってくる。
キャラリンは自分が残したご飯なら、だれに食べられてもいいらしく、愛くるしい顔で小屋の中から来客の様子を眺めている。
キャラリンだけ特別待遇しているのがバレバレになってしまい、いささかきまりが悪い思いをしているだけに、ロッキーママが小屋の前に来てこちらを向いて座ると、慌てて御馳走をお皿に詰め込んでママの小屋に運ぶことになる。
玄関の物音で、ママは走ってやってくる。
美味しいものにありつく効果的な方法を良く知っているのだ。
2004/1/22

necoの今年の目標は尻重返上。
先日、地下鉄南北線に乗って『六本木一丁目』に出かけた。
(実は仕事の打ち合わせで出掛けたのだが…)
南北線に乗るのはこれが初めて。
ホームと線路の間がガラスで仕切られているのにまずビックリ。
『六本木一丁目』で降りると、こんどは泉ガーデンをはじめとする真新しい大きななビル群にビックリ。
(実は、necoは六本木ヒルズにもまだ行ったことがない。)
『六本木の裏通りで、猫の写真を』と思ってバッグに忍ばせたデジカメでビルを撮る。
あっちこっちキョロキョロしているいうちに、裏通りに寄り道する時間がなくなってしまった。

日の短い大寒のこと、打ち合わせが終ったころには外は真っ暗。
猫と出会えずに肩を落として帰る帰り道、先の泉ガーデンの中に入っている本屋さんで『猫学』という新刊書を発見。
さっそく一冊購入して、気分の帳尻を合わせることにした。
かなりの本なので、じっくりと読んでからご紹介いたしましょう。

2004/1/18

今朝は、高円寺南口駅前の噴水池の水が凍っていた。
池の周りには、いつものように鳩が数十羽群れている。
鳩は寒くないのかなあ…

キャラリンは、丸一日の機能停止状態から覚めた。
案の定、何食わぬ顔で、立続けに3種類のキャットフードを平らげた。
昨年の11月以来、長期の絶食がなくなっている。
それまでのバイオリズム周期がなくなり、体調がいいのか、悪いのか、見当がつかなくなった。

最近また、クロちゃんがデッカイ顔とデッカイ体でキャラリンのご飯を食べに来ている。
キャラリンがneco家の準飼い猫となったのは、当時毎日neco家にやってきていたクロちゃんが、自分のご飯をキャラリンに分けてあげたのがキッカケ。
その恩を忘れていないのか、キャラリンは、自分のご飯皿に顔を突っ込むクロちゃんを小屋の中からあたたかな目で眺めている。

2004/1/15

この所、急に冷え込みが厳しくなった。
お正月が暖かかっただけに、寒さが身にしみる。
外の小屋に入れるホカロンの数も一部屋につき一日2回、1回2個と増えてきた。

キャラリンは、昨日、ついに一回も起きてこなかった。
目を覚ましても体勢を変えてまた寝入ってしまう。
未だになつかないキャラリンの部屋のホカロンは、キャラリンが散歩に行っている間に替えているのだが、一日部屋を出ないと、替えることもできない。
この寒空のもと、冷えきったカイロの上でじっと寝ている。
もちろん食事もしないし、トイレにも行かない。
体の機能が全てストップしている模様。

何ごともなかったかのように、大きな欠伸と伸びをしながら、部屋を出て、食事をねだってくれるのをひたすら待つしかない。

2004/1/11

ぬーちゃんの、necoと寝たいけど寝られない病は2日で終った。
年が明けてから、necoが2階に引き上げる時間にはかなりバラ付きがある。
それなのに、ぼちぼち寝ようかなと心で思う、まさにそのタイミングでぬーちゃんが、そっと傍にやってくる。
以心伝心とは、このことだが、一体どうしてその瞬間を感知しているのだろう?

キャラリンは、この一週間、昼過ぎまで起きてこない。
冬眠でもしているような寝方だが、3時ごろようやく起き出したときの表情はさっぱりしている。
昨年の暮に2日ほど家を明けたものの、それを除けば2ヶ月以上も食べ続けていることになる。
一体どんな変化がキャラリンの体の中で起こっているのだろう?

何とも分からないことだらけ。
猫には『?』がよく似合うのかもしれない。

2004/1/8

昨日は七草。
朝、母の作ってくれた七草粥にお餅をたくさん入れて食した。
世の中もようやくお正月気分から抜け出したようだ。

この二日、ぬーちゃんがnecoと寝るのを拒んでいる。
自分の方から、「もう寝ましょ」と誘いにきて、一緒に2階の寝室に上がるのだが、ベッドに入り込んだ途端に、一目散に飛び出していく。
どうしたことだろう。
日中、necoのベッドで昼寝をしているだれかの臭いでもするのだろうか。
初日など、寝室を飛び出したものの、1階の居間のドアが閉まっていて入れず、朝まで寒い廊下に座り続けていたらしい。
何とも気難しいぬーちゃんの奇行には、悩まされるばかりだ。

2004/1/5

今年は、1月3日が仕事始めとなった。
年末は大掃除に追われ、年末年始の休暇といっても元旦と2日のたった二日だけ。
休みの間中、顔は腫れ上がり、手は握れないほどぱんぱんにむくんでいた。
これでまた仕事かと案じていると、何のことはない。
仕事始めの朝には、顔の腫れも手足のむくみも嘘のように引いている。
エンジン・スタートの緊張感がそうさせるのかしらん。
疲れなんか取れていないのに…
一週間振りにパソコンに向かう。
あれ、頭も妙にすっきりしている。
時間もゆったりと楽に過ぎていく。
昨年後半は、私自身も私の時も、油の切れた歯車みたいにキーキーと悲鳴をあげていたのに。

なんという開放感!!
行く年、来る年の区切りが、すべてをリセットしてくれたようだ。
大嫌いな大掃除も、リセットには不可欠なのかもしれない。
自分で自由に押せるリセットボタンを見つけたいものだ。

2004/1/1 一年の仕事と年末の大掃除で疲労困憊した大晦日でしたが、
年越しそばを食べた途端に、その疲労がうそのように消えていきました。
2004年の穏やかなお正月を迎え、
今年一年に向けての新しいエネルギーがゆるゆると湧いてきました。
みなさま、本年もどうぞよろしくお願いいたします。