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トスカのおくりもの 1992年6月25日 第1刷発行 |
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猫のトスカは、静かで、あたたかくて、一人きりになれる場所を探さなくてはなりません。それも急いで。せっかく探したタンスの引出しの中は、お家の人に追い出され、次ぎに見つけた階段の一番上の段は掃除機に邪魔され、トスカは外を探すことにしました。ぶなの木の下、池のほとりの草むら……どこも一人きりにはなれません。困り果てたトスカに、ボーイフレンドのロジャーがとっておきの場所を教えてくれます。そして…… 『トスカのクリスマス(Tosca's Christmas)』に次ぐ、トスカの絵本の第2弾。トスカがなぜ静かで一人きりになれる場所を探しているのか、ロジャーはすぐにピンと来るのだが、読者もロジャーの登場するころに、ようやく事情が判ってくる。そう言えば、とページを逆戻りしてみると、ぶなの木に巣を作っている鳥を見ても、池に飛び込むカエルを眺めても、トスカの表情は曇っている。いつもなら、嬉々として見つめるだろうに……。 |