★★★★ |
1992年10月20日 発行 |
ある日とつぜん、片目がつぶれた猫がのっそり家に入ってきました。そしてそのまま、すんなりと居着いてしまいます。もらった名前は『タンゲくん』。どこから来たのか、今までどうやって暮らしてきたのか、正体不明なタンゲくん。タンゲくんがふらりと家を出て行くと、心配でたまりません。媚びず、堂々としていて、気紛れで、不可思議で、それでいてあったかい…家族で一番小さな女の子が、そんなタンゲくんと自分の胸の内を綴ります。 子供が描いたような筆致で描かれた絵は、カラフルでしっとりしていて、大胆で細やか。中でもタンゲくんは物凄い存在感で迫ってきます。タンゲくんの背景に描かれる家族の実にあたたかいこと。無理のない、自然な家族のありようが見えてきます。 |