★★★☆

The School for Cats

1947年 コピーライト
文・絵:Esther Averill
発行所:New York Review
ISBN-13:978-1-59017-173-8

田舎町に、猫のための寄宿学校がありました。この学校の生徒の多くは都会の猫たちで、ご主人が出張や旅行で家を留守にするときや、礼儀作法を学ばせたいという場合に、ここへ送られてくるのでした。ニューヨークの消防士さんの猫、ピクルスは、毎年夏になるとこの学校にやって来ます。ピクルスは自分用の消防自動車を持っていて、学校中を乗り回していました。6月のある日、ジェニーという子猫が学校に入りました。まだ小さく、学校がはじめてのジェニーは、心細いばかり。そこへピクルスが悪戯をしかけます。ジェニーは脱走を企てるのですが……

本書は A Jenny's Cat Cllub Book の中の一冊。著者の Averill は、自身の引っ込み思案な飼い猫、ジェニーをモデルに、1944年からこのシリーズを書き始め、計13作品を発表している。縦長のハードカバー、黄色地の表紙に赤い布のバインディングという装丁が魅力的で、イラストとの相性は抜群。シャイな猫が何を考えているのか、理解しにくいものだが、ジェニーを通して、その胸の内、心の動きを覗くことができたような気がする。本書は、シリーズの最後の方に書かれたものらしく、さらりと読み終えてしまったが、シリーズ最初の作品から順に読み進めると、印象はまた変わるのかもしれない。


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