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2003年9月25日 初版第1刷発行 |
本書は、チェコを代表する小説家、劇作家として20世紀前半に活躍したチャペックの猫に関するエッセイ集である。 書店に出向き、いつものごとく猫の本の並ぶコーナーに直行。そして何も考えずにこの本を買って帰りました。版型も見返しの絵も気に入って買ったのですが、文学音痴の私は、著者については何一つ知らず、また、この本が童話なのかどうかも気にせず買ったのです。正直、読み始めてしばらくは、言葉がすべっていってしまうようで、本を読んでいる実感すらありませんでした。しおりを挟んでいたなかったため、どこまで読んだのかさえ分からなくなる始末。お陰で、同じページを何度も読むことになりました。まさに『お陰』です。繰り返し読むうちに、ようやく著者の声が聞こえてくるようになったのです。挿し絵や写真を織りまぜてもわずか54ページの本ですが、言葉を無駄遣いすることなく綴られた本書のメッセージは深く、読み返すほどに心に届く言葉が増えていきます。 |