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The Owl and the Pussycat 1991年 初版発行 |
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猫が登場する詩、と云えば、まず挙げられるのが、この The Owl and the Pussycat だろう。リメリック(aabbaと韻を踏みながら滑稽な内容を詠う5行詩)の名人、エドワード・リアの作品だ。言葉遊びでもあるリメリックは、文化的背景が違うと難解で、その面白さはなかなか伝わってこない。この詩もナンセンスと云えばナンセンスなのだろうが、ふくろうと猫がボートに乗って海に漕ぎ出し、やがて結婚式を挙げる、という筋書きは、実にロマンチックで、猫好きにはたまらない。リメリックなどと難しいことは置いておいて、思わず笑みがこぼれる。この詩が、絵画や彫刻に姿を変えて頻繁に登場するのも頷ける。 さて、この絵本、とにかくイラストが素晴らしい。どのページも海の中と上がともに描かれ、小舟の上のふくろうと猫に彩りを添えている。色彩も鮮やかで、しかも気品と落ち着きを失っていない。 いつか南の海に浮かぶ島で、海に沈む夕日を眺めたら、ダンスをするふくろうと猫のシルエットが浮かんでくるかもしれない。 |