Kathleen Hale 作 "Orlando The Marmalade
Cat" シリーズの中の一冊。
人づてにこのシリーズのことを知り、何とか手に入れたいと思ったが、これが至難の技。海外オークションやアマゾンのマーケット.プレイス等で、ようやく3冊をゲットした。36.5cm×26.5cm
という大型本は、手にしただけで胸がワクワクする。ページをめくると、クレヨンで描かれたような絵が、やさしく、あたたかく迎えてくれる。
主人公オーランドは、マーマレード・タビー。妻のグレース、3匹の愛らしい子供とともに、人間の家で暮している。もちろん、居候などではない。ならず者のネズミの悪戯から家を守る、という重要な仕事についている。
ある日、オーランドは、ご主人に休暇を願い出る。オーランドは、家族をキャンプ旅行に連れて行こう、と思ったのだ。ご主人はしばらく思案していたが、オーランド一家のために、緑のテントを用意してくれた。
さあ、オーランド一家のキャンピング・ホリデーの始まりだ。
オーランドがキャンプに連れて行ってくれたのは、オーランドの家族ばかりではない。ページを繰る私たちをも一緒に車に乗せてくれる。子猫たちと枕を並べてテントに眠り、美味しいミルクやサンドイッチを食べ、虹を追い掛け、小川で泳がせてくれる。このキャンプ旅行は、私たちに、溢れるばかりの好奇心や冒険心、高鳴る期待、心満たされた眠り、そして何より無邪気さ、といった忘れ物を取り戻させてくれる。この本に魅せられるのは、子供よりむしろ大人なのかもしれない。もっと早く出会っていれば、自分の子供と一緒にオーランドのキャンプ旅行を再現できたかもしれない、と口惜しい気もしてくる。
読み終えた時、本当にキャンプから戻ってきたような爽快感と開放感に満たされ、満足のため息がもれる。
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