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Orlando
and the Three Graces

1965年 初版発行
1992年 改訂版発行
文・絵:Kathleen Hale
発行所:Frederick Warne & Co.
ISBN0-7232-4003-5

Kathleen Hale 作 "Orlando" シリーズの中の一冊。

間もなくクリスマス。母さん猫のグレイスがマウス・パイを準備する間、オーランドと3匹の子猫はプレゼントを買いに出かけます。店につくと、オーランドとパンジー、ブランシェはさっそくお買い物。でも、末っ子のティンクルは、店の外で雪遊びに夢中になってしまいました。家に戻ると、ティンクルはみんなへのプレゼントを買いそこねたことに気づきます。オーランドと2匹の姉へのプレゼントは、あり合わせのもので何とかなりそうですが、グレイスにあげるものが見つかりません。そこで、オーランドからプレゼントされた魔法セットの中にあったスプレーボトルをグレイスにあげることにしました。ティンクルはそのスプレーが香水だと思ったのです。翌朝、スプレーを見つけたグレイスはさっそく吹きかけてみました。すると、どうでしょう。グレイスが3匹に増えてしまったのです……

オーランド一家は、3匹になってしまったグレイスを元通りにしてもらうよう、サンタクロースに頼むことにする。こうして星空の彼方のサンタクロースを訪ねる壮大な旅が始まる。天の川を航海し、シリウスに出会い……大人の我々でさえ、この物語を読んだあとは、見上げる星空がまったく違って見えてくる。シリアスの冷たく射すような光は、気のいい犬の額の温もりを運んでくれるようになるのだ。オーランド一家の温かさは、凍てつく冬の夜空をも、やさしい友に変えてくれる。
夢……自由に胸に秘めることができる夢……でも、もしそれが温かさのないものだとしたら、それは夢ではない。
オーランド一家とともに夢の世界に遊びながら、私の夢は本当に夢なのか問い直した。


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