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ねこは猫の夢を見る 2008年12月22日 初版発行 |
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猫を題材とした文学紙、月刊『ねこ新聞』の記念すべき100号が昨年6月に刊行された。創刊間もなく、編集長が病に倒れ、6年近い休刊期間を挟んでの100号とあっては感慨も一入だろう。創刊以来、同紙のカラーグラビアの表紙には、猫をモチーフとした『名画』と、詩や散文などの『文学作品』が、イメージを合わせて組み合わされ、掲載されている。本書は、創刊から100号までの間に掲載れた、その組み合わせの中からセレクトされた32編を見開きで収めたものである。 私は、およそ文学と名のつくものには、とんと疎いのだが、ここで詩に触れる機会を得、少ない言葉に凝縮された情感の豊かさに驚かされた。幸い巻末には、掲載された画家、作家の紹介があり、一歩踏み込む道案内をしてくれる。 「ねこは猫の夢を見る」というタイトルは、本書に収められている山城隆一の詩であり著書でもある「猫は猫の夢を見る」に因んでつけられたものだろうが、最初の「猫」が「ねこ」とひらがなで表記されている。私も「猫」「ねこ」「ネコ」のそれぞれが持つコノテーションに、どの表記を使ったら良いのか、悩むことしばしばである。猫がなくときの「なく」も「鳴く」「鳴く」「泣く」「哭く」「啼く」「なく」のいずれだろうか、と頭をひねる。ひらがなになった「ねこ」に編者の意図をさぐりながら読むのも一興ではないか。 |