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猫は密室でジャンプする 2004年12月20日 初版1刷発行 |
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6編をおさめた短編集。短編といっても80ページを越えるものもあり、読み応えはある。6編の内、『俺』という一人称、すなわち正太郎視線で綴られたものが3編、主人公『私』が一人称になった人間目線ものが2編、三人称で書かれたものが1編。 正太郎目線の長編を読み終えた直後に本書の表紙をめくっただけに、いきなり「私は」で始まる最初の一編には、少なからず戸惑った。当然「俺は」で始まるものと、無意識に思い込んでいたからだろう。人間目線ものにも、もちろん正太郎は登場するのだが、その正太郎は、その時の人間の気持ちを投影した動物「猫」となる。 正太郎と自分とを隔てるものは何なのか、そんなことを考えながら、次ぎの一冊を手に取ろうと思う。 |