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ねこのポグとことり 2005年4月 初版第1刷発行 |
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ある日、ポグはじっと座って小鳥たちが飛ぶ姿を眺めていました。「おはよう」と声を掛けると、一羽の小鳥がポグのそばにとまりました。そして歌を歌い始めました。ポグはその楽しい歌声に耳をすませました。すると小鳥たちがどんどん集ってきて、いつの間にかポグは小鳥の歌声に包まれていました。ポグがいい気分にひたっているところへ、猫の友だち、プティがやってきました。そして、小鳥を追い掛けて遊ぼうというのです。乗り気ではなかったポグですが、プティに押し切られて、小鳥を追い掛け始めると、これが面白くて……。でも、小鳥たちは、もうポグに歌を歌ってくれなくなってしまいました。ポグは…… 小鳥とポグとの間の間に生まれたほのかな信頼が、ほんの遊び心からくずれてしまう。猫の絶好の獲物になってしまう小鳥にとって、猫に寄せる信頼は、薄氷を踏むようなもの。悪意のない無邪気な遊びも、薄氷を割るに十分なのだ。一度そこなった信頼を取り戻すために、ポグがとった行動の健気さに胸が熱くなる。 |