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						 池波正太郎氏をはじめ、作家を中心に17名の著名人が、猫に寄せて綴ったエッセイを収録。 
								一口に愛猫家と括ってはみても、猫との距離感や、視点の微妙な違いが感じられる。そして、一歩退いて猫を捉えたり、客観的な視線で眺めたりすることが、決して猫への思いを薄めるものではないことを知り、思わず自分と猫との関わり方を見直してしまう。 
								また、17人17様のテーマのしぼり方、文章表現を味わうことができ、ほんわりしたり、唸ったり……一冊で二度、三度と美味しい一冊だ。 
								中でも、早坂暁氏の『アマテラスの最後の旅』は圧巻で、ぜひ一読をお勧めしたい。 
								巻末には出典も記されている。お気に入りの著者の原典にあたってみるのも楽しい。 
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