★★★★

ねこがさかなを
すきになったわけ

2004年12月25日 初版第1刷発行
さく・え:ひだのかな代
発行所:新風舎
ISBN4-7974-5249-8
C8793

昔、王様と一緒にお城で暮らしていた猫が、一匹の魚を助けました。その魚は魚売りの水槽から飛び出してしまったのです。猫は魚を自分の部屋のお風呂に放してあげました。そして猫と魚は、毎日楽しく歌ったり踊ったり…。ところが、ある日のこと、猫が目をさまさないのです。どうやら体の中に悪者がいるようです。魚はジャンプして猫の体の中に入っていくのですが…… 

白地に赤い大きな猫…その強烈な色彩のコントラストと描かれた猫の筆致……一瞬、アンディ・ウォーオールの猫がそこにいるのかと思った。大胆な色遣いの中で、細く白い線が効果的に使われている。
ストーリーは、『魚の恩返し』で、少々切なくもある。人を喰ったような表情の猫と、命を助けてくれた猫に恩を感じて、精一杯頑張る魚の懸命な表情のコントラストも良い。甘いケーキばかり食べていると病気になるぞ、というメッセージは、ケーキ好きの私には、耳が痛いのだが。

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