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猫だましい 平成14年12月1日 発行 |
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人間には理屈や理論で割り切れない何か、人間を「心」と「体」に分けた途端に失われる何かがある。それを「たましい」と著者は呼ぶ。心理療法士である著者は、私たちが漠と感じる「たましい」に、日々向き合っているのかもしれない。 「牡猫ムル」「牝猫」「空飛び猫」等の物語、「鍋島猫騒動」等の民話伝承、「100万回生きたねこ」を初めとする絵本、そして少女マンガに至るまで、扱われた素材は広範囲で、いずれも各ジャンルの代表的作品ばかり。その中から「たましい」を抽出していることが、他の猫本手引書と大きく一線を画するところだ。 絶版でいくら探しても見つからない「牡猫ムル」以外のタイトルは、すべて読んだものだったが、「たましい」という視点で語られると、新鮮な発見がある。 心理療法の現場では、絵を書いたり、箱庭を作ったりするそうだが、出来上った絵や箱庭には猫が登場することが多いという。 |