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★★★★★

Miranda the Great

1967年 初版発行
作:Eleanor Estes
絵:Edward Ardizzone
発行所:Harcourt. Inc.
ISBN0-15-205411-1

トッレ・アルジェンティーナ広場やピラミデ、コロッセウム等ローマの遺跡は、猫たちのサンクチュアリでもあることは良く知られている。この物語は、『コロッセウムに暮らす猫の起源』をテーマとしたフィクションだ。

時は、古代ローマ帝政時代。猫のミランダとその娘プンカは、ザグという犬と一緒に、夫婦と娘の3人家族の元で平和に暮らしていました。ある日、ローマは敵襲に遭い、町中に火の手が上がります。ザグと3人は、馬車でローマを脱出するのですが、馬のいななきに怯えたミランダとプンカは、壷の中に隠れてしまい、取り残されます。火と煙が蔓延する中、2匹は必死で逃げ続けます。途中、置き去りにされた乳飲み子猫や、母猫とはぐれてしまった仔猫を助けながら、コロッセウムに辿り着いた時には、総勢34匹となっていました。安全と思われたコロッセウムでしたが、闘技用のライオンの唸り声が響き、同じく逃げ場を失った犬の集団もやって来ます。勇敢で母性愛に富んだミランダは、持ち前の知恵と行動力とで、仔猫たちの命を守り抜きます。やがてミランダは飼い主だった3人との再会を果たすのですが、そこでミランダが下した決断は……。

バスの中で読んだのがまずかった。不覚にも涙を抑えることができなかった。日ごろは鬱陶しいメガネ(老眼鏡)に多少は助けられたが。
ストーリーの構成はもちろん、エレナ・エステスの描写力、表現力があってこそ、ここまで胸に沁みる作品となっているのだろう。ニューベリー賞受賞作家(モファット・シリーズやジンジャー・パイで複数回受賞)の筆の力に唸る思いだった。
久しぶり、文句なしの5つ星!


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