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2002年12月15日 初版第1刷発行 |
『猫のマザーグース』という副題の通り、マザーグースを猫を主人公に焼き直したものだ。その訳は、意訳を越えて、著者の感覚が随所に盛り込まれ、半創作といってもいい程でが、不思議なことに、この超意訳を読んで、初めて、原文のマザーグースが理解できたような気がする。今まで、マザーグースを見るたびに、腑に落ちなかったことが、ストンと腑に落ちてしまったような、小気味良い感覚を味わうことができた。しかも、語呂よく、弾むようなリズムで訳されているから、声に出して読んでも楽しい。お気に入りを暗唱するのもいいだろう。 訳について先に触れたが、これは素敵な絵本なのだ。貼り絵のようにデザインされた絵は、一枚一枚の紙の質感や重ね合わせた影までが再現されていて、シンプルな輪郭と絶妙な色の組み合わせに、厚みを添えている。 雨の日も、ページを繰るごとに気分が晴れてくるような、楽しい楽しい一冊だ。 |