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いいネコに出会えた 平成14年12月10日 初版発行 |
同出版社の季刊本『猫びより』の刊行とともに開始された猫写真の取材旅行。三年という月日の一つの区切りとして集大成されたのが本書。『猫びより』で出会い記憶に深く刻まれた猫たちがここに収められている。
と、あとがきにも記されているが、一枚一枚の写真を見るにつけ、いったいこの一枚に岩合氏はどれだけの時間待ち、どれだけのシャッターを切ったことかと思う。猫はそれ自体がアーティステックだが、猫を風景や光ともに四角く切り取ったときに、猫がそこに在ること以上をアーティスティックに伝えるのは、極めて難しいのではないだろうか。 ついでながら、本書に収められている名古屋の猫と人を見て、名古屋に行ってみたくなった。『名古屋学』という本が出版されるほど、今、名古屋は脚光を浴びているが、私は名古屋という独特の文化に、正直云って喰わず嫌いをしていた。喰わず嫌いは始末が悪いもので、何の根拠もないのに、しつこくへばりついているものだ。その貼り付いた感情をあっさり溶かし、行ってみたいと思わせるほど強烈なメッセージがここにあった。 |