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おきゃくさま 1999年10月15日 初版発行 |
今日は土曜日、一人暮らしの貧しい老人にとって、週に一度、一かけらの肉とミルクに浸したパンを食べるという贅沢をする日。その晩、ドアに吹き付ける吹雪の音に混じって、弱々しい猫の泣き声が聞こえる。ドアをあけると、痩せ細った黒猫が座っていた。黒猫のお客様を迎えた老人は、乞われるままに、大切なミルクもパンも肉もあげてしまう… そう、お話の先は容易に想像のつく恩返し話しだ。 ところが、この本には他の恩返し話と一線を画するところがある。 胸をしっとりとあたためてくれる一冊。読んでよかった…と素直に思える一冊である。 |