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ここは猫の国 1997年2月24日 初版発行 |
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絵本好きの著者が、『絵本についての、僕の本』という本を纏めるにあたり、カテゴリーごとに章分けしていた時、どの章にも猫の絵本が登場することに気づいた。それならば、猫の絵本についての本を別途したためようと決意し、出版されたのが本書である。全ページ、フル・カラーの写真入りで、61冊の絵本が紹介されている。写真は、すべて著者が撮影したもの。表紙と本文の1、2ページ、というお決まりの写真ではなく、著者が関心を引かれた部分--例えば猫の尻尾--のクローズ・アップなど、独特のアングルで切り取った絵柄を楽しむことができる。61冊の絵本は、あるものは1ページ、あるものは4ページを割いて紹介されているが、あらすじを語ることなく、写真同様、著者の目や胸に響いた点を掘り下げている。なるほど、絵本にはそんな楽しみがあるのかと、感心しきりだ。これまでにさらりと読み、眺め、今は本棚に押し込まれた絵本を、再び取り出して、ゆっくりと味わってみたい、という気持ちを起こさせてくれる。61冊の中には、今はもう手に入らないものもたくさんあるが、気長に古本市場を探してみたい。 |