クリムトと猫
2005年4月1日 第1刷発行 文:ベレニーチェ・カパッティ 絵:オクタヴィア・モナコ 訳:森田義之 発行所:西村書店 ISBN4-89013-888-9 C0098
19世紀末から20世紀初めにかけて、伝統的な美術に反抗して『ゼツェッション』というグループを創設し、世紀末美術の立役者となったグスタフ・クリムト。『黄金のクリムト』と呼ばれるように、ゴールドを基調としたきらびやかで装飾的な画風は、見た者の記憶に強く残る。このクリムト、実は大の猫好きだったようで、8匹の猫と暮らしていたとか。 本書は、その猫の視線で、ご主人、クリムトを紹介したものだ。 作品から想像するクリムト像と、本書に語られるクリムトは随分と印象が異なり、興味深い。クリムトが作品を生み出す過程が平易に描かれ、クリムトという人物の存在が急に身近に感じられる。各ページのイラストも、クリムトに相応しく金がふんだんに使われ、華やかだ。 書棚に眠っているクリムトの画集を、改めて眺めたくなった。愛猫家としてのクリムトの作品として。