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─ある猫の物語─ 1996年11月1日 発行 |
『ニッポンの猫』でも紹介した写真家、岩合光昭氏と夫人の日出子さん夫妻が、一目惚れして品川のお寺から譲り受けた一匹の子猫。それは愛くるしく、二人の理想の子猫だった。名付けて『海(カイ)ちゃん』。その名の由来はここでは伏せておこう。武蔵野で二人+一匹の生活が始まる。いつも一緒、どこへ行くのも一緒。ところが夫妻に赤ちゃんが生まれることになり、悩んだ末の決断で海ちゃんは奥さんの実家、逗子で暮らすことになる。6回のお産で16匹の子猫を産み、体をこわすほど生真面目に子育てをし、それでもなお、美しく愛らしい海ちゃんの16年にわたる生涯を、夫、岩合氏のカメラがつぶさにとらえ、夫人、日出子さんが温かく軽やかなコメントで綴る。 こんな一冊を、我が家の猫たちの一匹、一匹にも作りたい、と心底願う素晴らしい作品です。 |