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						 悪戯王子が猫に読んで聞かせた20の物語。 
								散文のように綴られたお話は、読む者、聞く者を不思議な空間へと誘う。 
								悪戯王子というだけあって、それは騙し絵のようだ。 
									泡の中に包み込まれたような気分にさせられる。 
									泡の中で見る世界は、現実離れしているのに、私たちの存在の根っこを揺すってくる。 
									このままもう少し自分の根っこを掘り探ってみたい、と思っているのに、意地悪にも泡ははじけてしまう。と同時に今の現実に引き戻される。 
									そんな体験が20回できるのが、本書だ。 
									ささきすばるさんの、切なくなるような美しいイラストが、この無重力空間の旅を彩ってくれる。 
									頭が冴えわたっている時にじっくりと読むもよし、疲れきってぼんやりしているときにゆるりゆるりと眺めるもよし。 
									悪戯王子のいたずらにひっかかってみてはいかが?! 
									ちなみに、猫が登場する物語は、一つです。 
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