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1974年2月28日 発行 |
『ピーター・ラビットの絵本』シリーズ第5集に収められているお話。 モペット、ミトン、トムの姉弟猫の住む家は、とても古くて大きくて、押入や屋根裏がたくさんあり、ネズミもたくさん住んでいました。母さん猫のタビタは、いたずら好きの子供達に頭をかかえ、家のそこかしこでガサゴゾ音を立てるネズミに悩まされていました。ある日、パンを焼くことにしたタビタ母さんは、仕事の邪魔になる子猫たちを押入に入れることにしました。ところが、トムが見つかりません。トムは暖炉の煙突を探検していて、こともあろうに、大ネズミのサムエル夫妻が暮らす屋根裏に迷い込んでしまったのです。さあ、トムの運命は… 1908年に刊行されたこのお話は、ヒルトップ農場の家が舞台となっています。この家には、ネズミが隠れる場所がたくさんあり、ポターもネズミには悩まされていたとか。ちっとも大人しくしていない子供達に振り回され、ネズミに悩まされ、ため息ばかり漏らすタビタ母さんに、しゃきしゃきとしたリビーおばさんが喝を入れるところなど、人間模様そのままで、思わず苦笑がこぼれます。 |