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Clarence the Copy Cat 2002年 初版発行 |
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クラランスの両親は、ネズミ捕りの名人。サンドイッチ屋さんの『サムの店』で一日中、ネズミを捕っていました。ところが、クラランスときたら、まったくネズミが捕れません。ネズミたちがどんなに悪さをしたとしてもも、命あるものを傷つけることなど、クラランスにはとてもとてもできなかったのです。両親は、そんなクラランスを変えようとしましたが、結局ダメ。クラランスはサムの店を追い出されてしまいました。花屋さんに行っても、雑貨屋さんに行っても、レストランに行っても、クラランスはネズミを捕れと云われ、役立たずと云われて追い出されました。そんなクラランスに、声を掛けてくれた人がありました。優しそうなおじいさんで、後をついていくと、そこは図書館でした。ところが、その図書館にもネズミが!!! ネズミを捕れない猫、クラランスは、私たちの中にも住んでいる。自分の中のクラランスは、世の中を渡る上では扱いづらい存在で、私たちは往々にして心の中のクラランスを黙殺してしまう。だが、本書の中のクラランスは、決して自分の生き方を変えようとしなかった。そして、自分の住処を見つけていく。私たちも、今一度、自分のクラランスとじっくり向き合ってみる必要があるかもしれない。 軽快で、動きに満ち、センス溢れるイラストも素晴らしい! |