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The Christmas Cat 1976年 初版発行 |
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凍てつく風が雪を巻き上げながら吹抜ける森の中、鹿は身を寄せ合い、鳥たちは梢にしっかりと爪をくい込ませて必死に耐えています。その中に、森では見かけぬ動物が一匹。グレーの小さな猫が、行く手を阻まれ、丸太の陰で身を縮めています。この猫は、柔らかなソファとお皿一杯のミルクのある家に暮らしていましたが、ある日突然、その家に住む人は姿を消し、扉は固く閉ざされて、二度と開くことがありませんでした。クリスマスの季節の厳しい寒さの中、不慣れな森を放浪する身となった猫は…… 本書は、画家Tasha Tudor とその娘、Efner Tudor Holmes によって生まれた。ストーリーの中では、森の厳しい自然と対比されるように、両親と二人の幼い息子の家族が描かれている。すきま風が吹き込む小さな家で、つましく暮らす一家だが、この家は、心の奥深くに沁み入り、体をすっぽりと包み込む暖かさで満ちている。 |