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ちょっとネコぼけ

2005年5月20日 初版第一刷発行
2005年7月1日 第三刷発行
写真・文:岩合光昭
発行所:株式会社小学館
ISBN4-09-681831-3
C0072

『生命のつながり』をテーマに、北極圏から南極大陸に至るまで地球の各地を回り、野生動物や大自然の撮影を続ける一方で、『猫』をライフワークとして30年以上も撮り続けてこられた岩合氏。1978年の『愛するネコたち』を皮切りに、これまでに数多くの猫の写真集が発行されている。本書はそのオムニバス版とも云える。国内外で撮影された猫たちが、猫の営みという視点でまとめられている。ページを繰ると、「あっ、この写真、別の写真集で見た!」という作品もかなりあるが、わずか一行書き添えられた文の流れの中に置かれると、また新鮮なメッセージを放つから不思議だ。

……ネコが幸せになればヒトが幸せになり、地球が幸せになる。……

『ちょっとネコぼけ』は、猫に魅入られている危険な状態とし、タイトルにしているが、上記の一文の後、

「ちょっとネコぼけ」どころではなく、それこそほんとうにネコぼけになっていると思いますか?

と疑問形で結んでいる。猫を好きな人もいれば、嫌いな人もいる。だが、『ネコが幸せになればヒトが幸せになり、地球が幸せになる』のは確かだと思う。岩合氏は、それをネコぼけした人間としてではなく、普遍の真理としてあまねく伝えたかったのではないだろうか。


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