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2003年6月25日 初版発行 |
グルは、6匹兄弟の末っ子。マンクス猫のお父さんに似て、兄弟でたった一匹、尻尾が短い。お母さんは、その短い尻尾が一番かっこうがいいのだと教えてくれた。グルは、嬉しいときに、それは大きな音でグルルルルと喉を鳴らす。それが、名前の由来だ。グルは、ある日、ドラッグストアのジェームズさんの家にもらわれていくことになった。お母さんは、人間は、グルの話すことをわかってくれないと云う。だからちょっと淋しいかもしれないと。 本書は、1949年にアン・ピートリが姪に読ませようと執筆したもの。アン・ピートリの家は三代にわたってドラッグストアを経営していた。そんな身近な設定から、素直に描かれた物語だ。グルの『ちっくしょー』は何とも愛らしいが、その『ちっくしょー』を飲み込む術を必死に身に付けていく様は、ますます愛らしい。私たちも、グルに見習い、『ちっくしょー』を飲み込む練習をしなくては。そして何より、グルの言葉がわかる人間にならなくては。 |